更新日 : 2023.01.11

一般貸付(日本政策金融公庫)

日本政策金融公庫の一般貸付は、国民生活事業のひとつです。国民生活事業では、小規模事業者や新しく事業をおこした企業に対しての事業資金の融資や、国の教育ローンなどが行なわれています。

そのなかで一般貸付は、小規模事業者に対して小口の事業資金を融資する公的制度です。一般貸付を利用すれば、事業の運転資金や設備資金なども借りられます。

日本政策金融公庫の一般貸付では、必要書類の提出や担当者との面談といった手続きを行なうことによって、貸付を受けられるかどうかを判断されます。そこで、一般貸付の概要とともに、利用対象や手続きの流れなどについて解説していきます。

日本政策金融公庫の一般貸付とは

日本政策金融公庫の一般貸付とは、公的機関である日本政策金融公庫が行なっている事業者向けの貸付制度です。利用すれば、商品の仕入れや手形の決済などの運転資金や、店舗の新築・増改築、機械や車両の購入などの設備資金の融資を受けれます。

日本政策金融公庫の一般貸付の概要は下記の通りです。

【一般貸付の概要】
資金の使いみち 運転資金、設備資金、特定設備資金
融資限度額 運転資金・設備資金…4,800万円
特定設備資金…7,200万円
利率 担保を不要とする融資の場合 基準金利年2.06%〜年2.45%
担保を提供する融資の場合 基準金利年1.11%〜年2.10%
※基準金利に限らず、返済期間によっても適用される金利が異なる場合があります
担保・保証人 申込者の希望などを担当者に相談して決定される

参照元:日本政策金融公庫「一般貸付|日本政策金融公庫

また、一般貸付を利用した場合、実際に「いくらくらいの融資を受けられるのか?」と気になる人がいるかもしれません。

一般貸付のように小規模事業者への融資を行なう制度には、下記のような特徴があります。

【一般貸付などの小規模事業者への融資の特徴】
  • 1先あたりの平均融資額は703万円と小口融資が主体
  • 融資先の約9割が従業員9人以下の小規模事業者であり、個人企業の人も多く利用している

参照元:日本政策金融公庫「国民生活事業の業務の概要

1先あたりの平均融資額は703万円であり、国内の銀行や信用金庫などにくらべて、小口の融資が行なわれる傾向があります。また、融資先の6割以上は従業員が4人以下、9割以上が9人以下の小規模事業者です。

もちろん、一般貸付を利用したからといって融資の平均額程度の融資を受けられるとは限りませんが、目安として参考にしておくとよいでしょう。

日本政策金融公庫の他制度と併用できる

日本政策金融公庫には、一般貸付のほかにも、用途に応じてさまざまな貸付制度が用意されています。原則として日本政策金融公庫の他の制度と併用可能であるため、複数の制度を同時に申し込むことができます。

【他制度との併用について】

Q5 複数の事業に同時に借入申込みができますか?(例 設備資金を中小企業事業に、賞与資金を国民生活事業に申込むなど)
A5 資金のお使いみちに応じて、同時に複数の事業の融資制度をご利用いただけます。なお、同一設備に対する複数の事業への申込みなどお取り扱いできない場合もございますので、詳しくは最寄りの支店にご相談ください。
引用元:日本政策金融公庫「よくあるご質問|日本政策金融公庫

複数の制度を同時に申し込む場合は、同一設備に対して複数の事業への申し込みできないなど制約がある場合もあるため、各支店に相談するとよいでしょう。

一般貸付の利用対象

一般貸付の利用対象は下記のとおりです。

【一般貸付の利用対象】

ほとんどの業種の中小企業の方にご利用いただけます。(業種や経営内容等によってはご利用いただけない場合がございます)
引用元:日本政策金融公庫「一般貸付|日本政策金融公庫

一般貸付では利用対象について細かい規定はありません。では、一般貸付で融資を受けているのは、どのような業者があたるのでしょうか。

実際に一般貸付で融資を受けた業者について調べると、サービス業や卸・小売業、建設業、製造業、飲食店・宿泊業などがあげられます。各地域の人々の生活に密接な関わりをもっている小規模事業者が中心となっています。

生活衛生関係の事業者は一般貸付(生活衛生貸付)を確認しておく

一般貸付を検討している人の中で、生活衛生関係の事業を営む人および理容学校・美容学校を経営する人は、一般貸付(生活衛生貸付)という制度を確認しておきましょう。

飲食店、喫茶店、理・美容業、クリーニング業、旅館業など、生活関係営業の事業者の場合は生活衛生貸付を利用できるためです。

一般貸付(生活衛生貸付)とは、生活衛生関係の事業を営む人に対して、店舗回送資金等の設備資金を貸し付ける制度です。一般貸付とは融資限度額や返済期間が異なります。

【生活衛生貸付の概要】
利用対象 生活衛生関係の事業を営む人および理容学校・美容学校を経営する人
資金の使いみち 設備資金
融資限度額 飲食店営業、喫茶店営業、食肉販売業、食鶏肉販売業、氷雪販売業、理容業、美容業、その他公衆浴場業 7,200万円
一般公衆浴場業 3億円
旅館業 4億円
興行場営業、サウナ営業 2億円
クリーニング業 1億2,000万円
返済期間(うち据置期間) 13年以内(1年以内、返済期間が7年超の場合2年以内)
※一般公衆浴場業は30年以内
金利 条件によって適用される金利が異なる
担保・保証人 申込者の希望などを担当者に相談して決定される

参照元:日本政策金融公庫「一般貸付(生活衛生貸付)|日本政策金融公庫

一般貸付(生活衛生貸付)の場合、資金の使いみちは、設備資金に限られます。

そのため、設備資金以外の小口融資を希望する小規模事業者の方は一般貸付を、生活衛生関係の事業を営む方で設備資金の借入を希望する人は一般貸付(生活衛生貸付)の制度にも一度目を通しておくと良いでしょう。

一般貸付を利用する流れ

日本政策金融公庫の一般貸付は、申し込みから借り入れまでに平均で2週間程度(土日・祝日を含む)かかります。そのため、利用する際には、申し込みから借り入れまでには2週間程度かかると想定しておきましょう。

一般貸付を利用する流れは、下記の通りです。

【一般貸付を利用する流れ】

1.申し込みはインターネット・郵送・来店のいずれかで行なう
2.必要書類を提出する
3.担当者と面談を行なう
4.借入が決定したあとに契約手続きを行なう

一般貸付の申し込みにあたっては、いくつか必要な書類を用意し、提出する必要があります。書類が間違っていると貸付までに時間がかかる可能性もあるため、利用の流れとあわせて必要な書類についても確認しておくようにしましょう。

必要書類を提出したあとは、担当者と面談を行ないます。面談の過程では、書類などをもとに担当者に話を聞かれるだけでなく、企業訪問などが行なわれる場合があるので覚えておきましょう。

面談を経て融資が決定すれば、契約手続きを行なったのち、指定した口座に入金されます。

なお、申し込みから借り入れまでの流れで不安な部分がある人は、事前に事業資金相談ダイヤル(0120-154-505)や予約相談のページから支店窓口やオンラインで相談したうえで、申し込みを検討してもよいでしょう。

1 申し込みはインターネット・郵送・来店のいずれかで行なえる

一般貸付の申し込みは、インターネット・郵送・来店のいずれかの方法で行なえます。

来店または郵送で申し込む場合は、借入申込書を事前にダウンロード・印刷し、必要事項を金融のうえで、必要書類と一緒に郵送または来店する必要があります。

インターネット申込の場合は、申込フォームを入力するため、借入申込書を別途ダウンロードする必要はありません。

インターネット申込は、日本政策金融公庫の「事業資金 お申込受付」より下記の流れで行なえます。

【インターネット申込の流れ】


参照元:日本政策金融公庫「internet_kariire」(インターネット申込に関する案内)

インターネット申し込みの場合、郵送手続きに比べてはやく手続きを完了させられます。インターネット申込に関しては「インターネット申込操作ガイド」にてより詳しい説明が記載されているので、必要な人は参考にしてみてください。

2 必要書類を提出する

必要書類は申込時に提出します。申込方法ごとの必要書類提出のタイミングは下記の通りです。

【必要書類を提出するタイミング】
申込方法 提出方法
インターネットでの申込 申込フォーム入力後にインターネット上でアップロードする
郵送での申込 借入申込書に必要書類を同封して提出する
来店での申込 来店時に必要書類を持参して提出する

申込時に提出する必要のある書類は、申込者の状況によって異なります。各条件ごとに必要な書類は下記の通りです。

【必要書類】


※「はじめて利用する方」の書類のうち、創業計画書を提出する場合、企業概要所の提出は不要になります
参照元:日本政策金融公庫「個人企業・小規模企業の方|日本政策金融公庫

申込時には、自身に当てはまる条件ごとに必要な書類を確認し、漏れなく用意しましょう。

必要書類を用意する際、郵送や来店の場合は紙の書類のまま、本人確認書類などはコピーしておきましょう。

一方、インターネットから提出する場合、必要書類の電子データを準備する必要があるため、事前に電子データに変換しておきましょう。

3 担当者と面談を行なう

必要書類後、日本政策金融公庫の担当者と貸付の可不可を判断するための面談が行なわれます。面談の詳細や日程、場所などについては、申し込みと書類提出が完了したあとに担当者から案内される流れです。

面談では、資金の使いみちや事業の状況(計画)などについて担当者に話を聞かれます。

面談時には必要書類とは別に営業状況(計画)や資産・負債がわかる書類などが必要になる可能性もありますが、面談時に必要な書類は、申込後の担当者の案内に従うようにしましょう。

また、面談の過程では企業訪問として、店舗や工場などを担当者が尋ねることもあります。企業訪問が必要な際は、担当者からの指示にしたがって対応するようにしましょう。

4 借入が決定したあとに契約手続きを行なう

日本政策金融公庫の面談後、審査に通れば、借用書など契約に必要な書類が送付されます。借用書などの書類に必要事項を記入・返送したのち、日本政策金融公庫に受領されれば、契約手続きが完了するながれです。

契約手続きが完了すれば、事業資金が申込時に申請した銀行口座あてに送金されます。

一般貸付の返済は原則毎月の分割返済になる

一般貸付の返済は、原則毎月の分割返済になります。また、 事業資金の使いみちによって返済期間が異なるため、使いみちごとに定められた返済期間内で完済する必要があります。

【一般貸付の返済方法】
返済方法 口座振替(銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫)
毎月の返済日 5日・10日・15日・20日・25日・末日から選択

※口座振替を行なう機関によっては利用できない日があります

【一般貸付の返済期間】
資金の使いみち 返済期間 元金据置期間※
運転資金 5年以内(特に必要な場合は7年以内) 1年以内
設備資金 10年以内 2年以内
特定設備資金 20年以内 2年以内

※元金据置期間とは、元金(実際に借りた金額)の返済は行なわず、利息のみを返済する期間のこと

一般貸付では使いみちごとに返済期間が定められており、元金据置とできる期間内であれば、一定期間毎月の返済を利息のみとすることも可能です。

なお、返済期間を超える取り扱いを希望する場合は、窓口での相談が必要です。

そのため「一般貸付を利用したいが、規定されている返済期間での完済が難しい」という人は、インターネットや郵送で申し込むのではなく、来店して相談するようにしましょう。

返済条件の見直しを行なえる場合もある

一般貸付で事業資金を利用する場合、「返済開始後に、経営状況が変化した場合に返済期間や返済額などの返済条件を変更することはできるか?」と気になる人もいるかもしれません。

一般貸付の利用後、返済条件の見直しは可能です。

【利用後の返済条件の見直しについて】

Q13 返済条件の見直しをしてもらいたいのですが、どうしたらよいですか?
A13 まずは、お取引支店にご相談ください。税務報告書・決算書、資金繰り表、経営改善計画書等の資料をお願いしていますが、状況に応じて、ご提出いただく資料については、省略を含め柔軟に対応させていただきますので、担当者へご相談ください。
なお、返済条件の見直し後においても、資金繰りのご相談を承っております。
引用元:日本政策金融公庫「よくあるご質問

返済条件を見直したい場合、取引を行なっている支店に相談し、担当者から求められる必要書類を用意しましょう。

また、返済条件の見直しを行なった後も、必要とあれば資金の借入の相談も可能です。返済の見込みがある場合は、改めて必要な資金について相談できます。

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