更新日 : 2023.01.11

教育一般貸付(国の教育ローン)

国の教育ローンとも呼ばれる「日本政策金融公庫の教育一般貸付」は、高校や大学、専修学校などに入学・在学する子どもの保護者に対して、入学費用や授業料、通学費などを支援する制度です。

教育一般貸付を利用できれば、学費や通学費だけでなく、在学のためのアパート代、留学費用などの貸付も受けれます。

教育一般貸付を利用するには、利用対象にあてはまり、所定の審査に通過する必要があります。そこで、教育一般貸付の概要とともに、利用対象や審査内容、利用の流れについて解説していきます。

日本政策金融公庫の教育一般貸付とは

教育一般貸付とは、公的機関である日本政策金融公庫が行なっている貸付制度です。利用すれば、国内学の高校や大学、専修学校の学費だけでなく、受験にかかる費用や教材購入費、在学のための住居費用などの貸付を受けれます。

【教育一般貸付の概要】
利用対象 融資の対象となる学校に入学・在籍される方の保護者(主に生計を維持されている方)で、世帯年収が所定の金額以内の人
貸付対象になる学校 大学・大学院・短期大学
専修学校、各種学校(予備校、デザイン学校など)
高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
外国の高等学校、短期大学、大学、大学院、語学学校など
その他職業能力開発校などの教育施設
使いみち 入学費や授業料などの学費
受験にかかった費用(受験料、交通費、宿泊費など)
教科書代、パソコン購入費
通学費用
在学のための住居費用
留学費用
学生の国民年金保険料、その他
貸付額 子供一人につき350万円以内
担保・保証人 (財)教育資金融資保証基金または連帯保証人
貸付利率 年1.66%(一定の要件※を満たす人は年1.26%になる)
返済期間 15年以内(一定の要件※を満たす人は18年以内)

※母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円以内の方または子ども3人以上の世帯かつ世帯年収500万円以内
参照元:日本政策金融公庫公式サイト「教育一般貸付(国の教育ローン)|日本政策金融公庫

【教育一般貸付の特徴】
  • 日本学生支援機構の奨学金制度と併用できる
  • 受験前でも申し込める
  • ひとり親家庭や一定以下の年収の世帯に対して優遇措置がある
  • 在学中は利息の返済のみでも可能

申し込み時期については、受験前も申し込めるので、事前に申し込めば入学費用や受験費用にも利用できます。また、ひとり親家庭や一定以下の年収の世帯に対しては、金利・返済期間の優遇があるのも教育一般貸付の特徴です。

なお、借入後すぐに元金と利息の返済がむずかしい場合は、在学中は利息を支払のみの返済も可能です。

日本学生支援機構の奨学金制度と併用できる

教育一般貸付は、日本学生支援機構の奨学金制度と併用できます。日本学生支援機構の奨学金制度を利用予定・利用中の子どもがいる世帯も申し込み可能です。

【日本学生支援機構の奨学金制度との併用について】

Q1-5 独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金制度と「国の教育ローン」を併用することはできますか?
「国の教育ローン」と重複してご利用いただけます。
参照元:日本政策金融公庫「よくあるご質問 国の教育ローンのご利用をお考えの方|日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の公式サイトには、「教育一般貸付と日本学生支援機構の奨学金制度と併用可能である」と記載されています。また、教育一般貸付を利用したことで奨学金の給付・貸与額が減少する、といった記載はありません。

教育一般貸付の利用対象

教育一般貸付を利用できるのは、貸付の対象となる学校に入学・在学する子どもの保護者かつ主に生計を維持している方です。学生本人の申し込みは、下記のような理由によって困難だと考えられます。

【学生本人の申し込みについて】

Q2-3 学生本人が申込人になることはできますか。
例えば、成人されており、勤務収入などの安定したご収入があって、独立して生計を営んでいらっしゃる方であれば、学生ご本人でお申込みいただけます。
ただし、今回の入学・在学により、学業に専念されるような場合は、ご返済の見通しが困難となることから、ご両親のうち主に生計を維持されている方やご親族の方にお申込人となっていただくようお願いいたします。
引用元:日本政策金融公庫「よくあるご質問 国の教育ローンのご利用をお考えの方|日本政策金融公庫

また、教育一般貸付では、扶養している子どもの数・世帯年収によって利用対象が定められており、世帯年収の上限を超えている場合は利用対象から外れます。

扶養している子どもの数に応じた世帯年収の上限額は下記の通りです。

【教育一般貸付の利用対象となる世帯年収の上限額】
子どもの人数 世帯年収の上限額
1人 790万円
2人 880万円
3人 990万円
4人 1,090万円
5人 1,190万円

※世帯年収には世帯主のほか、配偶者等の収入も含まれます
参照元:日本政策金融公庫「ご利用条件|日本政策金融公庫

基本的に昨年度の年収が参考にされるとのことですが、公式サイトでは「今年の世帯年収が上限額いないとなる見込みのある方は、ご利用いただける場合があります」と記載されています。

また、両親以外でも、6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族であれば、申込人になれます。たとえば、子どもの祖父母や兄弟・姉妹、叔父・叔母は子どもからみて3親等内に当たるので、いずれの方も申込可能です。

教育一般貸付に申し込む際は、上限額を確認したうえで、昨年度の世帯年収または今年度見込まれる世帯年収が上限額を下回っているかを確認しておきましょう。

申し込むには連帯保証人または公益財団法人の保証が必要

教育一般貸付を利用するには、連帯保証人または公益財団法人の教育資金融資保証基金のいずれかの保証を受ける必要があります。

連帯保証人を立てる場合は、いくつかの条件を満たしている必要があります。まず、連帯保証人を立てる場合の条件は下記の通りです。

【連帯保証人の条件】
  • 子どもの4親等以内の親族(子どもの配偶者を除く)
  • 申込者である世帯主と別居・別生計の人
  • 源泉徴収票または確定申告書(控)を提出できる

参照元:日本政策金融公庫「金利・ご返済方法|日本政策金融公庫

一方、公益財団法人の教育資金融資保証基金の保証を受ける場合は、所定の保証料が貸付額から引かれることになります。保証料金の目安は下記の通りです。

【100万円の貸付を受けた場合の保証料の目安】
返済期間 利息のみ返済がない場合 利息のみ返済を4年行なう場合
5年 23,413円 32,778円
10年 46,413円 64,978円
15年 69,751円 97,651円

参照元:日本政策金融公庫「保証基金のご案内|日本政策金融公庫

保証料は、返済期間と利息のみの返済期間の有無によって金額が変わります。返済期間や利息のみの返済期間が長くなるほど、保証料も高額になると覚えておきましょう。

親族などに連帯保証人を頼めそうな場合は、連帯保証人を立てれば保証料などは発生しません。連帯保証人がいない場合は教育資金融資保証基金からの保証を受けるしかないため、保証料がかかることを踏まえて利用を検討する必要があります。

教育一般貸付を利用するには審査に通る必要がある

教育一般貸付を利用するには、審査に通る必要があります。教育一般貸付の審査基準は公表されていないものの、日本政策金融公庫の公式サイトをみると、審査で下記のような事項を確認したうえで審査を行なっていると考えられます。

【教育一般貸付の審査で見られる可能性がある事項】
  • 提出した書類に記載されている情報
  • 申込者の信用情報

教育一般貸付では、申込後に本人確認書類や源泉徴収票などの必要書類を確認します。そのため、提出した書類に記載されている情報は審査で確認される可能性があるでしょう。

また、日本政策金融公庫では、申込者の信用情報を審査の可否を判断するために利用します。信用情報とは、ローンやクレジットカードなどの信用取引における利用履歴のことです。

それぞれ審査で見られる可能性がある事項について、解説していきます。

提出した書類をもとに総合的に審査される

教育一般貸付の審査では、提出した書類をもとに、総合的に審査が行なわれます。

【教育一般貸付の審査基準について】

Q3-4 審査基準を教えてください。
ご提出いただいた資料などをもとに、お客さまのご勤務(営業)の状況、ご収入(所得)の状況、お借入の状況、住宅ローンや公共料金のご返済・お支払いの状況などから、総合的に判断させていただきます。
引用元:日本政策金融公庫「よくあるご質問 国の教育ローンのご利用をお考えの方|日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の公式サイトでは、提出した書類をもとに、勤務・収入状況や借入状況、住宅ローンや公共料金の返済・支払い状況などから総合的に審査をすると記載されています。具体的に「○○な状況だと審査に落ちる」といった基準は公表されていません。

注意したいのは、申込内容や提出した書類に不安があるからといって嘘の内容や書類を提出すれば、虚偽申告となり審査に通らない恐れがある点です。そのため、申込内容や提出書類は正確に申告・提出するようにしましょう。

審査の際には信用情報を確認する

教育一般貸付の審査の際には、返済能力の調査のために申込者の信用情報を確認します。返済能力とは、貸付金を完済できる能力のことです。

信用情報といっても、具体的にどのような情報が登録されている可能性があるのかわからない人もいるでしょう。具体的に信用情報には、下記のような情報が挙げられます。

【個人信用情報機関に登録される信用情報の例】
  • 無担保ローン
  • クレジットカード
  • 自動車ローン/住宅ローン
  • 携帯電話本体の分割払い
  • 奨学金
  • 家賃(保証会社を通じて契約している場合)

信用情報は、個人信用情報機関によって管理されており、日本政策金融公庫は加盟する個人信用情報機関を通じて申込者の信用情報を確認します。

【日本政策金融公庫が加盟している個人信用情報機関】
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
  • シー・アイ・シー(CIC)

※KSCとCICは日本信用情報機構(JICC)と情報共有を行なっているため、日本政策金融公庫はJICCに登録されている信用情報も確認できる
参照元:日本政策金融公庫「 pee_agreement」(個人信用情報機関等への同意事項)

【審査時の信用情報の照会について】

株式会社日本政策金融公庫(以下「公庫」という。)が加盟する個人信用情報機関および同機関と提携する個人信用情報機関にお客さまの個人情報(当該各機関の加盟会員によって登録される契約内容、返済状況等の情報のほか、当該各機関によって登録される不渡情報、破産等の官報情報等を含む。)が登録されている場合は、公庫がそれを与信取引上の判断(返済能力の調査または転居先の調査をいう。ただし、返済能力に関する情報については返済能力の調査の目的に限る。以下同じ)のために利用します。
引用元:日本政策金融公庫「 pee_agreement」(個人信用情報機関等への同意事項)

信用情報についても、「○○な情報があったから審査に通らない」といった基準は公表されていません。ただし、信用情報の確認が「返済能力の調査」のために行なわれている以上、延滞の履歴が残っていた場合は、審査に何らかの影響を及ぼす可能性があると考えられます。

教育一般貸付を利用する流れ

教育一般貸付の貸付日までには、通常、申し込みから20日前後かかるため、最低でも1ヶ月程度見込んでおく必要があります。10月〜3月の入学シーズンは申し込みが殺到するため、公式サイトでは必要時期の2〜3ヶ月前が申し込みの目安とされています。

教育一般貸付の申し込みから貸付日までは一定の時間が必要です。必要な書類が手配できなかったり、手続きの流れがわからなかったりすると、目安以上の時間がかかることも考えられます。

余計な時間をかけず、必要な時期までに貸付を受けるためにも、教育一般貸付の利用の流れを理解して事前に必要な書類等は確認しておくようにしましょう。

【教育一般貸付を利用する流れ】

1.インターネットまたは郵送で申し込む
2.必要書類を提出する
3.申込完了から10日前後で審査結果の連絡を受け取る
4.契約に必要な書類を提出する
5.審査結果の連絡から10日前後で貸付される
参照元:日本政策金融公庫「お手続きの流れ|日本政策金融公庫

申し込みから貸付まで順番に解説しておくので、順番に流れを確認したり、不安な項目の説明を確認したりして、利用の流れを把握しておきましょう。

1インターネットまたは郵送で申し込む

教育一般貸付の申し込みは、インターネットまたは郵送で行なえます。原則来店不要ですが、来店での申し込みも可能です。ただし、場合によっては審査または契約時に申込者の来店が必要な場合もあります。

インターネット・郵送での申込方法は下記の通りです。

【インターネットからの申込方法】

1.必要な項目を「インターネットお申し込み」に入力
2.日本政策金融公庫から直ちに「今後のお申込手続き案内メール」が届く
3.「お申込に必要な書類」を用意して、日本政策金融公庫へ郵送する

【郵送での申込方法】

1.「借入申込書」を教育ローンコールセンター(0570-008656)または各支店へ請求
2.郵送で届いた「借入申込書」に記入
3.「お申込に必要な書類」を用意して、日本政策金融公庫へ郵送する

教育一般貸付の申し込みは、インターネット・郵送のいずれの方法でも、1年中いつでも受け付けています。公式サイトでは、必要時期の2〜3ヶ月前の申し込みが推奨されているため、4月に支払いの必要がある場合は1月中には申し込みを済ませるようにしましょう。

また、入学時の費用に関しては、受験前や合格前であっても申し込みできます。そのため、志望校などが決まった段階でなるべくはやく申し込むようにしましょう。

2必要書類を提出する

教育一般貸付に申し込んだ後は、必要書類の提出を行ないます。必要書類には、申込者全員が対象になるものと、一部の申込者にのみ提出が求められるものがあるので、自身の申込内容に応じて必要な書類を提出するようにしましょう。

必要な書類の種類は下記の通りです。

【教育一般貸付の必要書類】
  • 申し込みに必要な書類
  • 申込内容が入学資金・在学資金または子どもが自宅外通学の場合に必要になる書類
  • 世帯年収の上限額間を希望する場合に必要な書類

「申し込みに必要な書類」は、申込者全員が提出する必要があるものです。一方、それ以外に必要な書類は、申込内容によって必要の有無が異なります。

そのため、自身が提出する必要がある書類についてそれぞれ確認しておくようにしましょう。

申し込みに必要な書類

「申し込みに必要な書類」は、申込者全員が提出する必要のあるものです。必要な書類とそれぞれの書類の注意事項は、下記の通りです。

【申込者全員が提出する必要のある書類】


参照元:日本政策金融公庫「お申込みに必要な書類|日本政策金融公庫

住民票の写しや運転免許証・パスポートなどに本籍地や個人番号が記載されている場合は、黒く塗りつぶしておきましょう。

また、運転免許証・パスポートのどちらも持っていない場合は、コールセンターに問い合わせるか、健康保険被保険者証(原本)を用意して、他の申し込み書類とともに取扱支店に来店する必要があります。

なお、「預金通帳や領収書など支払い状況のわかるもの」の書類について、コンビニエンスストアで支払いをしている場合は領収書を、クレジットカードで支払っている場合はカード利用明細書を預金通帳と合わせて用意しましょう。

以上のように、各書類には記載事項や発行年月日など、いくつか決まりがあります。

そのため、詳細の内容を確認し、必要な書類を揃えられるようにしましょう。

申込内容が入学資金・在学資金または子どもが自宅外通学の場合に必要な書類

申込内容が下記に当てはまる人は、申込に必要な書類に加えて、別途書類を提出する必要があります。申込内容ごとの必要書類は下記の通りです。

【申込内容ごとに追加で提出する書類】


参照元:日本政策金融公庫「お申込みに必要な書類|日本政策金融公庫

申込内容が入学金や受験費用など入学資金の人のなかには、合格発表前で書類が用意できない場合があると思います。合格前に申し込みをした場合には、申込後時点での書類提出は不要であり、契約時までに書類を提出する形になります。

また、合格を確認できる書類については、学校ホームページの合否確認のページを印刷したものではなく、学校から郵送などで交付される合格通知書などを提出するようにしてください。

世帯年収の上限緩和を希望する場合に必要な書類

世帯年収の上限緩和とは、教育一般貸付を利用するにあたって、子どもが2人以内の人でも特定の条件のいずれかにあてはまれば、世帯年収の上限額が990万円まで緩和される措置のことです。

上限緩和を希望する場合、自身が満たしている条件ごとに所定の書類を提出する必要があります。

【上限緩和を希望する場合に必要な書類】


参照元:日本政策金融公庫「お申込みに必要な書類|日本政策金融公庫

上限緩和を希望する場合は、いずれか自分が満たしている条件に該当する必要書類を提出すれば問題ありません。また、自宅外通学者に関しては、2種類の書類の両方を用意する必要があるので忘れないようにしましょう。

3必要書類の到着後10日前後で審査結果の連絡を受け取る

申し込みが完了し、必要書類が受領されたのちに、審査が開始されます。公式サイトをみると、審査にかかる時間は10日前後と記載されています。

審査結果は、申込時に記載した自宅住所あてに発送され、審査が通った場合は「ご融資のお知らせ(県借用証書)」などの書類も合わせて送られます。

また、融資が決定していても、事情によって利用する必要がなくなった場合は、キャンセルすることも可能です。キャンセルしたい場合は、申し込んだ店舗に連絡してください。

融資金額や返済期間、利息のみの支払い期間の有無などの条件について変更の希望がある場合も同様に、申込先の店舗に相談するようにしましょう。

なお、「利用の有無や融資の条件に変更はないが、進学先が変更になった」という場合、日本政策金融金庫の公式サイトに記載されている「融資の対象となる学校」であれば、とくに変更の必要はないのでそのまま手続きをすすめられます。

4契約に必要な書類を提出する

審査結果が通知され、書類を受け取ったあとは、契約の手続きを行ないます。契約の手続き時には、下記の必要書類を揃えた上で、日本政策金融金庫に提出しましょう。提出は郵送または来店で行ないます。

【契約時に提出する書類】
必要書類 注意事項
「ご融資のお知らせ(県借用証書)」※ 必要事項を記入のうえで提出する
印鑑証明書 市役所・町村役場等で入手して提出
合格を確認できる書類の写し
(入学資金として利用される人のみ)
入学先の学校より入手して提出
例:合格通知書、入学許可書等
「預金口座振替利用届」※
(金融機関からの自動振替による返済を希望する人のみ)
送金先口座の預金通帳 口座確認のため、通帳の表紙および見開き1ページ目をコピーして提出

※該当する書類は、審査結果の連絡時に同封されている書類に必要事項を記入して返送する形になります

契約時の書類を提出する際は、申込内容や返済方法によって必要な書類が異なります。具体的には、申込内容が入学資金の人や、返済方法に口座振替を希望する人は、該当する書類を忘れずに提出しましょう。

また、印鑑証明書などは市役所や町村役場で発行してもらう必要があり、場合によっては時間がかかる可能性があります。そのため、早めに準備をしておくとよいでしょう。

5審査結果の連絡から10日前後で貸付される

契約時の書類が受領されてから10日前後で、申込者名義の銀行口座に、日本政策金融公庫から入金があります。

実際に教育一般貸付を申し込む際には、下記の点に注意しましょう。

【貸付時に注意する点】
  • 入金時の手数料は申込者負担になる
  • 申込内容が入学資金の場合は合格を証明する書類を提出するまでは入金されない
  • 保証料が差し引かれた状態で入金される※(公財)教育資金融資保証基金の保証を受ける人
教育一般貸付からの貸付において、公益財団法人の教育資金融資保証基金による保証を受ける人は、所定の保証料が入金時に差し引かれます。そのため、実際に入金されるのは、貸付額から保証料を引いた金額です。

教育一般貸付の返済シミュレーション

教育一般貸付で貸付を受けたあとは、完済に向けて、毎月返済を行なうことになります。

毎月の返済額や支払う利息額は、貸付金額や返済期間に応じて変わります。「実際に毎月いくら返済することになるのか?」「利息額はいくらになるのか?」という点を確認して、貸付後の返済を計画的に行なえるようにしましょう。

今回は一例として、実際に日本政策金融公庫の「返済シミュレーション」を使って、ミュレーションした結果を解説していきます。

まず、貸付額と返済期間に応じた毎月の返済額は下記のようになりました。今回は固定金利である年1.66%を適用しています。

【貸付額と返済期間に応じた毎月の返済額】
貸付額 返済期間5年の場合 返済期間10年の場合
50万円 8,900円 4,600円
100万円 17,700円 9,200円
150万円 26,500円 13,700円
200万円 35,400円 18,300円
250万円 44,200円 22,800円
300万円 53,000円 27,400円
350万円 61,900円 32,000円

返済シミュレーションの結果、貸付額で比べると、貸付額が多くなるほど毎月の返済額が大きくなる傾向にあることがわかりました。一方、返済期間で比べた場合は、同じ貸付額であっても、返済期間が長くなるほど毎月の返済額は小さくなることがわかります。

そのため、貸付希望金額が決まっている場合は、返済期間を長く見積もることで、毎月の返済額を少なくすることは可能です。

ただし、毎月の返済額には利息が含まれており、利息は日割りで計算されることから、返済期間を長くすると、最終的に利息を多く支払うことになります。下記の表は、貸付額と返済期間に応じて、最終的に支払う利息額をまとめたものです。

【貸付額と返済期間に応じた総利息額】
貸付額 返済期間5年 返済期間10年
50万円 21,000円 42,600円
100万円 42,000円 85,200円
150万円 63,100円 127,900円
200万円 84,100円 170,500円
250万円 105,100円 213,100円
300万円 126,200円 255,800円
350万円 147,200円 298,400円

貸付額と返済期間に応じた利息額をみてみると、同じ貸付額であっても、返済期間が長くなると支払う利息額も増えることがわかります。

たとえば、200万円の貸付を受けた場合、5年間で返済する場合と10年間で返済する場合の利息を比べると、10年で返済する方が86,400円多く利息を支払う計算になります。

注意したいのは、利息額を抑えたいからといって返済期間を短くしすぎると、毎月の返済負担が増加して家計を圧迫する可能性があるという点です。そのため、まずは毎月の返済が行なえる範囲内で返済期間を設定するようにしましょう。

ボーナス月の増額返済をすれば毎月返済の負担を軽減できる

毎月の返済とは別にボーナス月の増額返済をすれば、毎月の返済負担を軽減できます。

ボーナス月の増額返済とは、希望者が年に2回のボーナス付きに追加で返済できる方法です。最大で貸付額の50%の金額をボーナス月に増額返済できます。

200万円の貸付を受けて5年間で返済する場合、ボーナス月の増額返済の有無によって、毎月の返済額は下記のように変わります。

【ボーナス月の増額返済の有無による毎月の返済額の違い】
ボーナス月の増額返済 毎月の返済額
増額返済あり(ボーナス月は87,300円/回) 24,800円
増額返済なし 35,400円

※ボーナス月の増額返済の割合を貸付額の30%とした場合

200万円の貸付を受けて5年間で返済する場合、ボーナス月の増額返済を利用することで、毎月の返済額の負担を1万円前後減らせます。

そのため、「教育資金がある時には多めに払って、毎月の返済はなるべく負担を減らしたい」といった場合には、ボーナス月の増額返済を利用してもよいでしょう。

子どもの在学中は利息のみの支払いが可能

教育一般貸付では、子どもの在学期間中は利息のみの支払いとすることができます。

利息のみの支払いとなる期間は、返済期間に含まれます。たとえば、返済期間10年と設定し、在学期間が4年の場合、4年間は利息の支払いのみとなり、残り6年間で残りの返済を行なっていく流れです。

具体的に、在学期間中と残りの返済期間の毎月の返済額の違いは下記の通りです。なお、今回は300万円の貸付を受けて10年間で返済するものとします。

【在学期間4年間利息のみ支払う場合】


※元金とは利息を含まない貸付金のことであり、今回の例では実際に貸付を受けた300万円が元金にあたります。

在学期間である4年間は、元金の300万円はそのまま、発生する利息の4,200円を支払うことになります。在学期間終了後は、元金分の返済がはじまり、毎月の返済額も43,900円となる流れです。

在学期間中に利息のみ支払う期間を設定することで、在学中の返済負担を軽減できるでしょう。ただし、結果的に支払う利息額が多くなる点には注意も必要です。

たとえば、300万円を10年間で返すうち、在学期間である4年間を利息のみの支払いにした場合、利息額は約35万円です。一方、利息のみの支払い期間なしで、10年間元金を含めて返済をした場合の利息額は約25万円になり、10万円程度の違いが生じます。

そのため、在学期間中に利息のみの支払いとする場合には、結果的に支払う利息額が多くなることを踏まえてうえで利用するようにしましょう。

教育一般貸付の審査に落ちた人は奨学金の入学時特別増額を受けられる

日本学生支援機構の第一種奨学金または第二種奨学金を希望している人で、教育一般貸付の審査に落ちてしまった人は、日本学生支援機構の「入学特別増額」を受けられます。

入学特別増額を受ければ、すでに申し込んでいる奨学金に加えて、入学した月の分の奨学金の月額に一時金として増額した貸与を受けられます。

教育一般貸付の審査に落ちたときに入学時特別増額を受けられるか確認したい場合は、日本学生支援機構の公式サイト「入学時特別増額」に申込条件や貸与される金額・金利などが載っているので確認してみましょう。

なお、入学時特別増額の手続きは、日本政策金融公庫ではなく、在学予定・在学中の学校にて行なう必要があるので注意してください。

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