更新日 : 2023.01.11
生活サポート基金
何かの事情により、どこからも借入できなくて困っている方や、経済的な問題でお困りの方は生活サポート基金に相談することができます。
生活サポート基金は銀行などから融資を断られた人へ、生活再生や安定化のサポートそ目的として、生活再生ローンの貸付を行っています。また、今後の生活を改善するために長期的な相談支援やサポートを受けることも可能です。
生活サポート基金とは生活困窮者を支援する一般社団法人
生活サポート基金は、経済的問題などを抱えて生活に困っている人に対して支援することを事業目標として掲げている一般社団法人です。そのため、銀行や貸金業者と違って営利を目的とした事業を行っていません。
具体的に生活サポート基金の事業には下記の6つがあります。
【生活サポート基金の事業】
- 生活再生のための生活相談事業
- 生活再生資金の貸付事業(生活再生ローン)
- 個人再生ファンド運営事業
- 東京都多重債務者生活再生事業
- 東京都ソーシャル・エンジェル・ファンド運営事業
- 研修・セミナー事業
それでは、生活に苦しんでいる人を支援する「生活相談事業」と「貸付事業」について解説していきます。
生活相談事業
生活サポート基金は、相談者の悩みに応じて生活再生の相談を受け付けています。生活再生の相談では融資相談に限らず、できるだけ相談者の悩みや課題を解決できるように具体的な支援を行ってくれます。
下記は生活相談事業で支援・サポートしてくれる内容の一例です。
【生活相談事業の内容】
支援・サポート内容 | 具体的な提案 |
---|---|
債務整理 |
借金の整理と方法 債務の低利融資一本化 闇金、保証債務 |
家計管理 |
家計表の作成 生計バランスの検討 |
公的支援の紹介 |
学費 社会福祉協議会 各種手当 雇用施策 |
生活保護申請 |
生活保護申請の方法 生活保護の支給金額 |
参照元:生活サポート基金公式「生活再生のためのご相談」
生活相談事業では、家計管理や公的支援などの相談にも乗ってくれます。
そのため、「融資を受けたい」という悩みだけではなく、生活に関する悩みを他に抱えているなら生活サポート基金に相談して解決策を考えてもらうことができます。
貸付事業(生活再生ローン)
生活サポート基金の生活再生ローンでは、年12.5%以内の金利で条件に該当する人に向けて貸付を行っています。生活サポート基金の特徴として挙げられるのは、貸金業者や銀行から融資を受けれない人も審査の結果次第では融資を受けられる点です。
【融資を受けられる人】
・消費者金融からの債務を整理するための資金を貸付けします。
・諸事情により税金、公共料金、家賃などの滞納した場合に整理するための資金を貸付けします。
・個人信用情報などにより金融機関などから借り入れできない場合の生活資金を貸付けします。
・債務整理後、生活再建をはたせるように自立支援のための資金を貸付けします。
一時的な生活資金を貸付けします。
・不動産の競売や給与の差し押さえをされている場合も、生活の再建が見込めるときは、
再建のための資金を貸付します。
引用元:生活サポート基金「生活再生ローンのご案内」
上記には「金融機関などから借り入れできない場合の生活資金を貸付けします」と記載されています。
そのため、自己破産など何か事情があって銀行や貸金業者から融資を受けれない人でも、生活サポート基金なら審査の結果次第では融資を受けれます。
なお、誰でも生活サポート基金から融資を受けられるわけではないので、次で融資を受けるための条件を確認しましょう。
生活サポート基金から融資を受けるための条件
生活サポート基金が提示している融資を受けられる条件は下記の通りです。
【融資を受けるための条件】
- 生活再建の意欲がある人
- 返済可能な家計の見通しが確認出来る人
- 収入がある人
- 東京・神奈川・千葉・埼玉のいずれかに在住の人
- 連帯保証人を1名以上用意出来る人
参照元:生活サポート基金「生活再生ローンのご案内」
「返済可能な家計の見通しが確認出来る人」とあるように、必ずしも申込者の年収だけで融資を受けられるか判断されるわけではありません。
「申込者の息子がアルバイトをして家計の負担の軽減に努める」といった条件があることで融資実行に繋がった例もあります。
【融資事例】
高校時代は授業料や部活動費用が家計を圧迫していたが、大学では遠征費や道具代など全て大学負担になること、固定資産税や住宅ローンの遅れもボーナスで解消できること、公立高校に合格した中学3年生の長男もアルバイトをして家計への負担の軽減に努める予定でいることから、融資実行となった。
引用元:生活サポート基金「融資事例」
融資事例から分かるように、生活サポート基金は独自の審査を行っていると言えます。「以前銀行から融資を受けれなかった」「年収が低くて借入できるか不安」という人も、生活サポート基金に相談するといいでしょう。
利用できるのは東京・神奈川・千葉・埼玉在住の人のみ
生活サポート基金を利用できる人は、東京・神奈川・千葉・埼玉に在住している人のみです。それ以外の地域に住んでいる人は生活サポート基金を利用できないので注意しましょう。
とはいえ、上記以外の地域にも生活サポート基金と同様の相談機関がある場合もあります。
地域 | 相談機関 |
---|---|
岩手・青森 | 消費者信用生活協同組合 |
千葉 | 生活クラブくらしと家計の相談室 |
大阪 | ヒューファイナンスおおさか |
参照元:生活サポート基金「当法人と同様の相談機関」
※千葉県に関しては、生活サポート基金でも融資を含めた相談が可能です。
【上記の地域以外に住んでいる人向けの相談機関】
- 消費生活センター(返済などの相談)
- 社会福祉協議会(福祉的な貸付相談)
- 市町村福祉事務所(生活保護など)
参照元:生活サポート基金「当法人と同様の相談機関」
岩手、青森、千葉、大阪以外の地域でも生活に困っている人を支援する機関が存在します。生活の再生に関する相談を受けたい人は、住んでいる地域に合った組合や機関を利用しましょう。
連帯保証人が必要
貸付条件として連帯保証人が1人以上必要になります。連帯保証人とは、申込者が返済できなった場合に借金の返済を肩代わりする人のことです。
生活サポート基金で融資を受けるには連帯保証人1人以上必要ですが、連帯保証人の用意が難しい場合などは、不動産を担保にすることも可能です。不動産を担保にする場合、不動産担保ローンとなり金利は年6.0~9.5%になります。
借り入れは最大で年収の3分の1まで
生活サポート基金では貸金業法に基づき、総量規制を超える融資を行いません。
総量規制とは、貸金業者に対して申込者の年収の3分の1を超える貸付を禁止する法律です。そのため、年収300万円の人が生活サポート基金や他の貸金業者などから借入れできる金額は、合計で100万円となります。
なお、総量規制は1社からの借入ではなく、すべての貸金業者からの借入合計が年収の3分の1以内である必要があるので、注意しましょう。
生活再生ローンの利用の流れ
生活サポート基金の生活再生ローンの利用の流れは下記の通りです。
【生活再生ローンの利用の流れ】
1.面談予約(電話または公式サイトから)
2.面談
3.ローン申込書
4.貸付審査
5.契約内容の確認
6.融資実行
7.返済
8.継続的な支援
参照元:生活サポート基金「生活再生ローンのご案内」
生活サポート基金に電話調査したところ、「2時間ほど、現在の生活状況について話を聞く」との回答を得ました。そして面談後、ローン申込書に必要事項を記入・提出し、審査が行われます。
ちなみに、生活サポート基金への電話調査の結果、「審査開始から融資実行まで最短で1週間~10日ほどかかる」とのことです。
また、生活サポート基金では飯田橋駅近くにある本部に出向き、担当者との面談が必須です。
生活サポート基金を利用する人は、営業時間内の平日9時半~18時半に飯田橋の本部に行く必要があると覚えておきましょう。
生活サポート基金への返済方法
生活サポート基金への返済方法は生活サポート基金が指定する口座への振込にて行います。
返済期間は1か月~120か月から選択可能です。年12.5%の金利で借り入れした際の返済シミュレーションを用意したので、毎月の返済額を下記で確認してみるといいでしょう。
借入額 | 返済期間 | 毎月の返済額 |
---|---|---|
50万円 | 3年 | 16,726円 |
100万円 | 4年 | 26,579円 |
200万円 | 6年 | 39,622円 |
300万円 | 10年 | 43,912円 |
参照元:生活サポート基金「生活再生ローンのご案内」
返済期間を長めに設定すれば毎月の返済額が抑えられ、返済期間を短めに設定すればその分利息が発生しないので返済総額を抑えることができます。
ただし、返済期間を短めに設定すると毎月の返済額が大きくなり、家計の負担になる可能性があります。
無理のない返済計画を立てるためにも、生活サポート基金の担当者と相談しながら返済計画を立てましょう。
実際の体験談が気になる人は融資事例を確認する
生活サポート基金の公式サイトには融資事例が記載してあります。
融資事例では、申込者の年収、生活サポート基金を利用するに至った経緯、生活再建のための解決策や融資額が記載されています。融資事例で取り上げられている申込者は自己破産や任意整理の経験をしてきた人が多いです。
そのため、同じような境遇の人は生活サポート基金からどのような解決策を提案されて、いくら融資されたのか確認し、生活サポート基金の利用について検討してみるといいでしょう。
生活サポート基金の融資事例
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