更新日 : 2023.01.11

臨時特例つなぎ資金貸付制度

臨時特例つなぎ資金貸付制度は、現時点で住居がなく、失業などで離職した人を対象に、失業保険のような他の公的制度から給付や貸付が開始されるまでの間に必要な生活費を貸付する制度です。

「住居がなく離職しており、申請している公的制度から貸付を受け取るまで間の生活費がない」という場合、臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用することも一つの手です。

臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用するには、厚生労働省や住んでいる地域で定められた貸付対象を満たす必要があります。そこで、臨時特例つなぎ資金貸付制度の概要とともに、貸付対象や申請方法について解説していきます。

臨時特例つなぎ資金貸付制度とは

臨時特例つなぎ資金貸付制度とは、住居がなく、給付や貸付の公的制度の申請が受理されている離職者の生活の自立を支援するための公的制度です。厚生労働省が管轄となり、全国の社会福祉協議会が主体となって実施されています。

【臨時特例つなぎ資金貸付制度】
貸付対象 住居のない離職者であって、次のいずれの条件にも該当する方
・離職者を支援する公的給付制度(失業等給付、住宅手当等)又は公的貸付制度(就職安定資金融資等)の申請を受理されており、かつ当該給付等の開始までの生活に困窮していること
・貸付を受けようとする方の名義の金融機関の口座を有していること
貸付上限額 10万円以内
連帯保証人 不要
貸付金利子 無利子

参照元:厚生労働省「臨時特例つなぎ資金貸付制度 |厚生労働省」

無利子かつ連帯保証人が不要であり、10万円を限度として必要な生活費の貸付を受けれます。

制度を利用するまでの期間

臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用して貸付を受けるまでの明確な期間は公表されていません。そこで、関東地方にある7つの社会福祉協議会へ確認したところ、いずれからも「1週間程度はかかる」との回答が得られました。

申請者の状況や住んでいる地域によって、貸付を受けるまでの期間は変わりますが、臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用する場合、申請から貸付日までは1週間程度かかることを想定しておきましょう。

貸付対象

貸付対象は、以下の2点です。

【臨時特例つなぎ資金貸付制度の貸付対象】

住居のない離職者であって、次のいずれの条件にも該当する方
(1)離職者を支援する公的給付制度(失業等給付、住宅手当等)又は公的貸付制度(就職安定資金融資等)の申請を受理されており、かつ当該給付等の開始までの生活に困窮していること
(2)貸付けを受けようとする方の名義の金融機関の口座を有していること
引用元:厚生労働省「臨時特例つなぎ資金貸付制度 |厚生労働省」

臨時特例つなぎ資金貸付制度の貸付対象者は、「住居がなく、離職していること」が前提となります。そして、「貸付や給付の公的制度を利用するまでの生活が困窮していること」「自分名義である銀行などの口座を持っていること」の2つの条件を満たす必要があります。

「生活が困窮していること」について東京都の社会福祉協議会に確認したところ、「定義は都道府県によって異なるが、東京都の場合はひと月の収入が地域で定められた収入の基準を下回っていることが条件の一つに挙げられる」との回答を得られました。

「生活が困窮していること」に該当するかがわからない場合、住んでいる地域の社会福祉協議会に一度相談してみると良いでしょう。住んでいる地域の社会福祉協議会を探す際は、「市区町村社会福祉協議会のホームページ(検索方法)|全国社会福祉協議会」を参考にしてください。

臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用できない可能性がある人の例

下記のいずれかに該当する場合、臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用できない可能性があります。

【臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用できない可能性がある人の例】
  • 現時点で住居があり離職前の人
  • 給付や貸付の公的制度を申請していない人
  • 住んでいる地域で定められた収入の基準を超えている人

臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用したい場合、自分が利用できない可能性があるのかどうかを確かめておきましょう。

現時点で住居があり離職前の人

臨時特例つなぎ資金貸付制度の貸付対象は、住居のない離職者です。そのため、現時点で住居がある人や離職前の人は、貸付対象に該当せず、臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用できません。

東京都の社会福祉協議会へ確認したところ、「現時点で住居や仕事がある場合は臨時特例つなぎ資金貸付制度を申請できない」との回答を得られています。

「現時点では住居や仕事があるが、今後臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用する可能性がある」という場合、住んでいる地域の社会福祉協議会に相談することも検討してみてください。

給付や貸付の公的制度を申請していない人

厚生労働省が公表する臨時特例つなぎ資金貸付制度の貸付対象には、「離職者を支援する公的給付制度(失業等給付、住宅手当等)又は公的貸付制度(就職安定資金融資等)の申請を受理されており、かつ当該給付等の開始までの生活に困窮していること」とあります。

つまり、現時点で給付や貸付の公的制度を申請していない場合、貸付対象に該当せず、臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用できません。

【対象となる公的制度の例】
  • 失業保険
  • 生活保護
  • 住居確保給付金
  • 職業訓練受講給付金
  • 総合支援資金

参照元:千葉県社会福祉協議会「低所得世帯・高齢者世帯・障害者世帯向けの貸付け|福祉資金の貸付|地域福祉・各種相談|千葉県社会福祉協議会」

社会福祉協議会では、臨時特例つなぎ資金貸付制度の申請手続きだけでなく、他の公的制度の利用に関する相談も可能です。他の公的制度を申請していない場合、臨時特例つなぎ資金貸付制度以外の制度の利用についても社会福祉協議会に相談してみると良いでしょう。

住んでいる地域で定められた収入の基準を超えている人

調査したところ、東京都の場合はひと月の収入が地域で定められた収入の基準を下回っていることが臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用する条件の一つです。

また、福井県の社会福祉協議会では、貸付対象として「所得の制限がある」と定められています。

【福井県の社会福祉協議会の貸付対象】

世帯の所得が少なく離職中であって、公的貸付制度又は公的給付制度の申請を受理されており、これらの制度の貸付けや給付が始まるまでの生活に困窮している世帯の方。(所得の制限があります。)
引用元:福井県の社会福祉協議会「生活福祉資金および臨時特例つなぎ資金|生活福祉資金・修学資金等の貸付|福祉の貸付・生活支援・権利擁護|目的別に探す|福井県社会福祉協議会」

東京都や福井県以外でも、臨時特例つなぎ資金貸付制度の利用条件として、収入に関する基準が定められている可能性も考えられます。

臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用する場合、「収入に関する基準があるのか」「自分の収入で臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用できるのか」を住んでいる地域の社会福祉協議会に相談することも検討してみてください。

臨時特例つなぎ資金貸付制度を申請する方法

臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用する場合、まず住んでいる地域の社会福祉協議会に相談する必要があります。

【臨時特例つなぎ資金貸付制度の申請手続き】

本事業に関するお問い合わせは、お住まいの地域の市町村社会福祉協議会にてお受けしております。
本資金の貸付けを希望する場合は、公的給付制度又は公的貸付制度を申請する際に、各制度の窓口にてご相談ください。
引用元:厚生労働省「臨時特例つなぎ資金貸付制度 |厚生労働省」

なお、申請してから貸付を受けるまでの流れは公表されていません。住んでいる地域の社会福祉協議会に相談する際は、「申請後にどのような手続きが必要になるのか」を担当者に聞いておくと良いでしょう。

臨時特例つなぎ資金貸付制度の申請時に必要な書類

社会福祉協議会によっては、臨時特例つなぎ資金貸付制度の申請時に必要な書類を公表しています。たとえば、福井県の社会福祉協議会では、必要な書類を下記のように公表しています。

【福井県の社会福祉協議会で公表されている必要書類】

借入申込書、所得・課税証明、免許証の写し、公的貸付制度又は公的給付制度の対象者証明書の写し等の書類が必要です。
引用元:福井県社会福祉協議会「生活福祉資金および臨時特例つなぎ資金|生活福祉資金・修学資金等の貸付|福祉の貸付・生活支援・権利擁護|目的別に探す|福井県社会福祉協議会」

提出する必要書類は申請者の状況などによって変わるため、臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用する場合、申請する前に住んでいる地域の社会福祉協議会に「どのような書類が必要なのか」を尋ねておくと良いでしょう。

相談時には不都合な事情があっても隠さずに説明する

臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用したい場合、たとえ不都合な事情があっても、隠さずに社会福祉協議会へ自分の状況を説明しましょう。不都合だからといって事情を隠してしまうと、虚偽が発覚した際に、貸付金を即時返済が求められる危険性があります。実際に、福島県のホームページには、下記のように記載されています。

【虚偽申告に関する記載】

虚偽の申請や不正な手段により貸付を受けた場合は、貸付金の即時返済を求められます。
引用元:福島県ホームページ「臨時特例つなぎ資金貸付制度のご案内 - 福島県ホームページ」

どのような事情があっても、社会福祉協議会の担当者から尋ねられたことには、虚偽のない正しい情報を伝えるようにしてください。

臨時特例つなぎ資金貸付制度で貸付金の返済方法

臨時特例つなぎ資金貸付制度は貸付制度であるため、利用した場合は貸付金を返済しなければなりません。地域によって臨時特例つなぎ資金貸付制度の返済方法は異なりますが、一例として千葉県の社会福祉協議会では下記のように定められています。

【千葉県の社会福祉協議会で定められた返済方法】

申請している公的給付または貸付が実施された時点で一括または分割返済
引用元:千葉県社会福祉協議会「低所得世帯・高齢者世帯・障害者世帯向けの貸付け|福祉資金の貸付|地域福祉・各種相談|千葉県社会福祉協議会」

また、地域によっては分割による返済が認められない場合もあるため、臨時特例つなぎ資金貸付制度から必要以上の資金の貸付を受けないことも重要です。

臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用する場合、申請している公的制度から受け取れる金額と生活にかかる費用を考慮したうえで、返済できる金額だけの貸付を受けるように心がけましょう。

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