更新日 : 2023.01.13

郵便局(ゆうちょ銀行)で貯金を担保に貸付を受ける方法

ゆうちょ銀行には、貸付を行なうサービスが複数用意されています。なかには、貯金を担保として貸付を受けられるサービスである「貯金担保自動貸付け」もあります。

ゆうちょ銀行から貸付を受ける場合、貯金担保自動貸付けを利用することも一つの方法です。

なお、貯金担保自動貸付けはゆうちょ銀行に貯金がある場合に利用できます。貯金がない場合、ゆうちょ銀行が取り扱う他のサービスの利用も視野に入れてみてください。

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けであれば郵便局でお金を借りられる

ゆうちょ銀行は、貸付の商品として「貯金担保自動貸付け」を用意しています。

貯金担保自動貸付けとは、ゆうちょ銀行の総合口座で管理している担保定額貯金や担保定期貯金を担保とする貸付のことです。担保定額貯金または担保定期貯金で、ゆうちょ銀行に預入している場合、貯金担保自動貸付けの利用により貸付を受けられます。

貯金担保自動貸付けを利用する場合、ゆうちょ銀行の通常貯金の残高を超える払戻し(引き出しまたは自動引落し)があった際に、金額の不足分が自動的に貸し付けられます。

たとえば、通常貯金の残高が30万円で、35万円の払戻しがある場合、貯金担保自動貸付けにより不足分の5万円の貸付が行なわれ、自動的に通常貯金の残高へ入金される仕組みです。

【貯金担保自動貸付けの概要】
貸付けの担保とするもの 担保定額貯金または担保定期貯金
(※)貯金担保自動貸付けの取扱いが停止されているものを除く
貸付金額の上限 預入金額の90%以内
(※)1冊の総合口座通帳につき300万円まで
貸付期間 貸付日から2年(※1)
(貸付日から2年以内に担保とする貯金が満期を迎える場合は、その満期までの期間)
貸付の方法・回数 方法:通常貯金の残高を超える払戻しがあったときに、その不足分が自動的に貸し付けられる
回数:制限なし
返済の方法・回数 方法:貸付の金額と利子の合計を通常貯金に預入することで自動的に返済される
回数:貸付期間内であれば、返済回数や1回あたりの返済額に制限なし
貸付金利 【担保定額貯金を担保とする場合】
返済時の約定金利(%)+0.25%
【担保定期貯金を担保とする場合】
預入時の約定金利(%)+0.5%
貸付利子(利息)の計算 1年を365日とする日割り計算

(※1)元利金継続(継続預入)の担保定期貯金を担保とする場合、貸付期間の範囲内で貸付けも継続されます。
参照元:「貯金担保自動貸付け」

貯金担保自動貸付けは、担保定額貯金または担保定期貯金を担保にする貸付であるため、貯金を超える金額の貸付は行なわれません。また、貸付の金額は総合口座通帳1冊につき300万円を限度として、預入金額の90%以内までとなります。

たとえば、預入金額が30万円の場合、30万円を超える金額の貸付は受けられません。また、貸付を受けられる金額は最大でも27万円までとなる仕組みです。

担保定額貯金または担保定期貯金の預入金額によっては必要な金額の貸付を受けられないことも考えられます。貯金担保自動貸付けを利用する場合、ゆうちょ銀行のアプリや総合口座通帳などから預入金額を確認しておくと良いでしょう。

財形貯蓄や国債を担保とする自動貸付は新規受付を終了している

ゆうちょ銀行は、過去に「財産形成貯金担保貸付け」や「国際等担保貸付け」という自動貸付のサービスを提供していました。しかし、両者とも2019年3月29日をもって新規申込の受付を停止しています。

【財産形成貯金担保貸付けの新規受付終了】

2019年3月29日をもちまして、新規のお申し込みの受け付けを終了しました。
なお、2019年3月29日時点でご利用中の担保貸付けについては、返済期限日の変更はありません。
引用元: 「財産形成貯金担保貸付け(新規受付終了)−ゆうちょ銀行 」

【国債等担保貸付けの新規受付終了】

2019年3月29日をもちまして、新規お申し込みの受け付けを終了しました。2019年3月29日時点で担保自動貸付けをご利用中のお客さまは、2020年3月31日まで貸付けを受けることができます。また、2020年3月31日時点でご利用中の担保貸付けについては、返済期限日の変更はありません。
引用元:「国債等担保貸付け-ゆうちょ銀行」

2022年8月時点、ゆうちょ銀行は貯金担保自動貸付け以外に、担保をもとに貸付を行なうサービスを提供していません。そのため、ゆうちょ銀行から貯金を担保に貸付を受ける場合、貯金担保自動貸付け以外に方法がないことを把握しておいてください。

貯金を担保にせずにゆうちょ銀行で貸付を受ける方法

ゆうちょ銀行は、貯金担保自動貸付け以外にもローンや貸付のサービスを提供しています。

(※)各方法をタップ・クリックすることで、それぞれの詳しい解説を確認できます。

貯金を担保にする方法ではありませんが、口座貸越サービスや住宅ローンを利用すればゆうちょ銀行から貸付を受けられます。貯金担保自動貸付け以外の方法でゆうちょ銀行から貸付を受ける場合、これらの方法の利用も視野に入れてみてください。

口座貸越サービス

ゆうちょ銀行は、融資のサービスとして「口座貸越サービス」を提供しています。

口座貸越サービスとは、ゆうちょ銀行の通常貯金の残高を超える払戻し(引き出しまたは自動引落し)などの際に、自動的に不足額の融資を受けられるサービスのことです。

自動的に融資が行なわれる点は貯金担保自動貸付けと同じですが、口座貸越サービスは貯金を担保にする必要がありません。

そのため、ゆうちょ銀行の担保定額貯金や担保定期貯金を利用していない場合も、口座貸越サービスを利用することで融資を受けられます。

口座貸越サービスを利用するには、「お申し込みいただける方」として定められた条件を満たしている必要があります。

【「お申し込みいただける方」として定められた条件】

  • 日本国籍を有する方または永住許可などを受けている外国人の方
  • 契約時の年齢が満20歳以上70歳以下の方
  • ゆうちょ銀⾏の通常貯⾦を保有している方(通常貯蓄貯⾦は除く)
  • 安定した収⼊があり、継続して取引が⾒込まれる方(年⾦収⼊も可、また無職の既婚者の方で配偶者がこの条件に該当する方)
  • ゆうちょ銀⾏所定の保証会社の保証を受けられる方

参照元:「口座貸越サービス」

安定した収入についてゆうちょ銀行へ電話調査したところ、「働いて収入を得ていれば申し込みは受け付ける」との回答が得られました。そのため、アルバイトやパート、個人事業主といった場合も、働いて収入があれば申し込みが可能だと考えられます。

しかし、「ゆうちょ銀⾏所定の保証会社の保証を受けられる方」については明確な基準が公表されておらず、電話調査をしましたが「明確な基準については公表できない」との回答でした。

「他の条件を満たしていれば申し込みは受け付けられる」との回答は得られたため、年齢や通常貯金の有無、収入といった条件を満たしていれば口座貸越サービスに申し込めると言えます。

申し込みの流れについては、ゆうちょ銀行「口座貸越サービス」のページで公表されているため、口座貸越サービスを利用する場合は参考にしてみてください。

住宅ローン

ゆうちょ銀行は、「ゆうちょフラット35」という住宅ローンも取り扱っています。

ゆうちょフラット35とは、ゆうちょ銀行と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利住宅ローンのことです。

ゆうちょ銀行が取り扱う他の貸付のサービスと異なり、ゆうちょフラット35は住宅の購入や建設、すでに利用している住宅ローンの借り換えといった費用の貸付を目的とした商品です。

ゆうちょフラット35に申し込むには、「ご利用いただける方」に該当する必要があります。

【ゆうちょフラット35の利用対象】

  • 申込時の年齢が満70歳未満で、日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
  • 融資後、速やかに利用対象である住宅に入居可能な方
  • すべての利用に関して、年収に占める年間合計返済額の割合が基準を満たす方

参照元:「ゆうちょフラット35」

すべての項目に該当していればゆうちょフラット35に申し込みが可能です。

「年収に占める年間合計返済額の割合の基準」に関しては、年収が400万円未満の場合は30%以下、年収が400万円以上の場合は35%以下と定められています。

たとえば、年収が300万円の場合、他の金融機関から受けている貸付を含めて、年間の返済額が100万円以下であればこの基準を満たせます。

他の金融機関から貸付を受けている場合、返済額を照会したうえで、年間の合計返済額が基準を超えていないかを確認してみてください。

貯金担保自動貸付けを受けるための条件

ゆうちょ銀行「貯金担保自動貸付け」のページには、貯金担保自動貸付けを受けるための条件が明確に記載されていません。

しかし、担保定額貯金または担保定期貯金の貯金を担保にして貸付が行なわれるため、これらの貯金がない場合は貯金担保自動貸付けを利用できないと言えます。

なお、ゆうちょ銀行に電話調査したところ、「担保定額貯金または担保定期貯金の貯金があれば他に条件はない」との回答が得られました。電話調査の結果を踏まえれば、担保定額貯金または担保定期貯金の貯金があれば、貯金担保自動貸付けを利用できると言えます。

貯金担保自動貸付けを受けるための手続き

貯金担保自動貸付けを受けるための手続きに関する情報は明らかになっていません。そこで、ゆうちょ銀行に電話調査したところ、「すでに担保定額貯金または担保定期貯金に預入していれば、貯金担保自動貸付けを利用できる」との回答が得られました。

そのため、すでに担保定額貯金または担保定期貯金に預入をしている場合、ゆうちょ銀行の窓口などでの手続きを行なうことなく貯金担保自動貸付けを利用できると言えます。

ゆうちょ銀行のATMまたは窓口で貸付を受けられる

担保定額貯金または担保定期貯金に預入をしていれば、貯金担保自動貸付けを利用できます。払戻しの際に残高が不足する場合は自動的に不足する金額が貸付されますが、ゆうちょ銀行のATMや窓口で手続きをすることで貸付を受けることも可能です。

窓口で手続きする場合はゆうちょ銀行の通帳が、ATMで手続きをする場合は通帳またはゆうちょ銀行のカード(キャッシュカード)が必要です。手続き後はゆうちょ銀行の通常貯金から引き出しをすることで、その金額を受け取れます。

なお、貯金担保自動貸付けを利用すると、ゆうちょ銀行の通帳に貸付金額がマイナスで表記されます。

たとえば、通常貯金の残高が5万円ある場合で貯金担保自動貸付を利用して10万円引き出すと、「5万円−10万円=−5万円」となります。この場合、通常貯金の通帳にも「−5万円」と記帳されるのです。

担保にした預入金額の90%が限度として、その金額以内であれば貸付回数に制限はありません。過剰な利用を防ぐためにも、ゆうちょ銀行から貸付を受ける際は、こまめに通帳から貸付金額を把握しておくようにしましょう。

貯金担保自動貸付けを利用すると貸付金利が適用される

貯金担保自動貸付けを利用すると貸付金利が適用されます。貸付金利が適用されれば、貸付利子(利子)が発生するため、貸付を受けた金額以上を返済しなければなりません。

貸付金利は担保にする貯金によって異なります。

【貯金担保自動貸付けの貸付金利】

  • 担保定額貯金を担保とする場合:返済時の約定金利(%)+0.25%
  • 担保定期貯金を担保とする場合:預入時の約定金利(%)+0.5%

参照元:「貯金担保自動貸付け」

たとえば、担保定額貯金を担保にする場合、返済時にゆうちょ銀行が定める約定金利に0.25%を足した数値が貸付金利となります。

貯金担保自動貸付けで発生する利息は「貸付を受けた金額×貸付金利÷365×利用日数」の計算式で算出できます。ゆうちょ銀行に返済する金額を把握しておくためにも、貸付を受けるにあたってどれだけの貸付利子が発生するのかを算出しておくことは重要です。

なお、ゆうちょ銀行に電話調査したところ、「預入時の約定金利は通帳から確認できるが、返済時の約定金利は返済時に決まるため窓口に問い合わせてみてほしい」との回答が得られました。

担保定期貯金を担保とする場合は通帳から、担保定額貯金を担保とする場合はゆうちょ銀行のATMや窓口から約定金利を確認しておくと良いでしょう。

ゆうちょ銀行から貸付を受けた場合の貸付利子のシミュレーション

ここからは、ゆうちょ銀行から貸付を受けた場合の貸付利子のシミュレーションをしていきます。

【前提条件】

  • 担保定額貯金を担保とする場合を想定
  • 20万円の貸付を受けて、年0.3%の貸付金利が適用された場合を想定
  • 貸付利子は「貸付金額×貸付金利÷365×利用日数」で算出
【返済期間に応じた貸付利子のシミュレーション】
返済期間 貸付利子
1か月 約49円
3か月 約148円
6か月 約295円
12か月 約600円

(※)実際の貸付利子と異なる場合があります。

シミュレーションからもわかるように、返済期間が短いほど貸付利子は減ります。貸付利子は1日ごとに増えるため、貸付利子を抑えたい場合は1日でも早く完済することを心がけましょう。

通常貯金への預入によりゆうちょ銀行に返済を行なえる

貯金担保自動貸付けの返済は、貸付金額と貸付利子の相当額をゆうちょ銀行の通常貯金に預入することで自動的に行なわれます。

貸付期間内であれば、返済回数や一回あたりの返済額に制限はありません。そのため、貸付日の翌日に貸付の一部だけを返済したり、翌月に一括で返済したりすることも可能です。

なお、一括で返済する場合、支払う金額は貸付を受けた金額と貸付利子を合わせた金額です。貸付利子を支払わなければ完済とならないため、ゆうちょ銀行の通帳や窓口で貸付利子の金額を確認しておくと良いでしょう。

貸付期間内に返済を行なわなければ貯金が払戻しになる

貯金担保自動貸付を利用した場合、貸付期間内に貸付金額と貸付利子を完済する必要があります。貸付期間内に完済できない場合、担保にした貯金が払戻しとなり、その金額を返済に充てたうえで残額がゆうちょ銀行の通常貯金へ預入となります。

ゆうちょ銀行に電話調査したところ、「貸付期間内に返済がない場合、担保にした貯金を解約する」との回答が得られました。

貯金が解約とならないためにも、貯金担保自動貸付けを利用する場合、貸付期間内に完済するようにしましょう。

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けに関するQ&A

ここからは、ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けを利用する際のQ&Aを解説していきます。

【貯金担保自動貸付けに関するQ&A】

(※)各項目をタップ・クリックすることで、それぞれの解説を確認できます。

貯金担保自動貸付けに疑問点がある場合、それぞれの質問に対する回答と解説を参考にしてみてください。

審査なしで貸付けを受けられる?

貸付を行なう金融機関は、基本的に審査を行なったうえで融資の可否を決定しています。そのため、貯金担保自動貸付けでは審査が行なわれるか否かが気になる人もいるでしょう。

しかし、ゆうちょ銀行の公式サイトにある貯金担保自動貸付けに関するページでは、審査の有無に関する情報が公表されていませんでした。

そこで、ゆうちょ銀行に電話調査したところ、「他の金融機関で行なわれるような審査はない。担保定額貯金や担保定期貯金の利用者であれば貯金担保自動貸付けを利用できる」との回答が得られました。

電話調査の結果を踏まえれば、審査自体が行なわれているか否かは断定できません。しかし、他の金融機関では申込者本人に対する審査が行なわれますが、貯金担保自動貸付けではそのような審査が行なわれないと考えられます。

貯金担保自動貸付けの利用が家族や勤務先の人に知られる?

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けに関するページを調査しましたが、貯金担保自動貸付けの利用が家族や勤務先に知られるか否かにかかわる明確な情報は得られませんでした。

しかし、通帳にはマイナスが表示されるため、ゆうちょ銀行の通帳を家族に見られると不審に思われる可能性があります。

また、ゆうちょ銀行に電話調査をしたところ、「勤務先への連絡はないが、自宅には返済をお願いする書面を送付する。送付の期日は明確に言えないが返済期日が近づくと送付する」との回答が得られています。

電話調査の結果を踏まえれば、勤務先への連絡はなくとも自宅への郵送物はあるため、その書類から家族に貸付を受けたことを知られる場合は考えられます。

貸付を受けたことを隠そうとしても、後に郵送物などから利用を知られる可能性は否定できません。相談しづらい事情があるかもしれませんが、家族に対しては事前に相談しておくことも検討してみてください。

貸付を受けるにあたって必要書類はある?

ゆうちょ銀行に電話調査したところ、「担保定額貯金または担保定期貯金に預入がなければ、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口での手続きが必要になり、その際にゆうちょ銀行の総合口座通帳・届け印・本人確認書類が必要になる」との回答が得られました。

そのため、担保定額貯金または担保定期貯金に預入がない場合、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口に出向いて書類を提出する必要があると言えます。

しかし、「担保定額貯金または担保定期貯金に預入していれば書類提出の必要はない」との回答もあったため、担保定額貯金または担保定期貯金に預入がある場合は必要書類の提出は不要だと言えます。

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