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クレジットカードが不正利用された場合は補償してもらえるの?

この記事を読んでいる人の中には「クレジットカードが不正利用されてしまった!」と思って焦っている人がいるかもしれません。
「不正利用された分のお金は返ってこないのか?」「補償してもらえるって聞いたことあるけど本当に補償してもらえるのか?」など、気になることが多くて不安になってしまいますよね。

不正利用に気づいたけどまだカード会社に連絡をしていないという人は、この記事を読んで流れがわかった時点でカード会社に連絡してください。
すでにカード会社に連絡を済ませており調査結果を待っている人は、今後必要になる可能性がある手続きなどを確認しておきましょう。

三井住友カード株式会社が行った調査によれば、クレジットカードの不正利用被害に遭った人の約8割は補償を受けているようです。
逆を言えば、約2割の人は補償を受けることができていません。そのため、補償されるから大丈夫と安心するのではなく、不正利用が補償されるケースとされないケースを確認しておきましょう。

クレジットカードの不正利用が補償されるまでの流れ

カード会社によって異なる点はあるものの、クレジットカードの不正利用が発生してから補償されるまでの流れはおおむね以下のとおりです。

【クレジットカードの不正利用発生から補償までの流れ】

  1. 会員が不正利用に気づく
  2. カード会社に電話する
  3. 必要に応じて警察に届け出を出す
  4. カード会社による調査
  5. 補償(請求取り消しなど)

※三井住友カード公式サイトと三菱UFJニコス公式サイトのチャートをもとに編集部で作成

それぞれのステップについて、さらに詳しく見ていきましょう。

会員が不正利用に気づく

明細を確認して不正利用の疑いがある利用分を見つけたら、ただちにカード会社に連絡してください。
不正利用の疑いがある利用分をいち早く見つけるためには、利用明細をこまめに確認することが大切です。
クレジットカードの利用明細はインターネット上やスマホアプリから24時間いつでも目を通すことができるので、カード会員専用サイトのURLをブックマーク登録したり、アプリをダウンロードしたりしていつでもチェックできるようにしておきましょう。

ちなみに、不正利用されたことに確信がなかった場合でもカード会社に連絡することは可能です。
「自分が使ったことを忘れていた」「利用した店舗名と請求明細に書かれている店舗名が異なっていて気付かなかった」など、不正利用でないことが判明したとしても、調査費を請求されたり今後のカード利用にあたって不利な扱いを受けたりすることはありません。

少しでも不審に思うカード利用がある場合は、遠慮なくカード会社のコールセンターに問い合わせてみましょう。

カード会社に電話する

不正利用に関する連絡は、所有しているクレジットカードを発行しているカード会社に入れる必要があります。
カード会社の電話番号はクレジットカードの裏面に書かれています。見つけられなかった場合は、GoogleやYahoo! JAPANで「〇〇(カード会社名) 電話番号」などと検索してみましょう。
カード会社によっては、国内から連絡する場合と海外から連絡する場合で電話番号が異なるケースがあるので注意してください。

必要に応じて警察に届け出を出す

状況によっては、カード会社から警察に被害届を提出するよう依頼されることがあります。どのような場合に被害届を提出する必要があるのかは不明ですが、カード会社からの依頼を無視して被害届を提出しない場合は、補償を受けられないおそれがあるので注意してください。

また、被害届を提出したあとは警察から連絡が来る可能性があることもあわせて覚えておきましょう。

カード会社による調査

コールセンターへの電話が完了すると、カード会社による調査が行われます。

カード会社がどのように調査を行っているのか調べてみましたが、公表している会社が存在しないので正確な情報は見つけられませんでした。
しかし、カード会社から不正利用の調査結果を報告された経験がある人たちの話をもとに考えると、不正利用された可能性がある店舗に電話をかけるなどの作業を行っていると推測できます。

調査結果は1週間以内に判明することが多く、どれだけ遅くても1か月以内には連絡をもらえるようです。
ちなみに、クレジットカードは不正利用の連絡をすると即座に止められる可能性が高いので、調査結果が出るのを待っている間はカードを利用できないと推測できます。
1週間以上クレジットカードを使えないと不都合があるという人は、最短即日発行・即日受取可能なクレジットカードを作ることを検討してみましょう。

なお、調査結果によってはカード会社から異議申立書などの書類提出を求められるケースがあります。書類がカード会社から送られてきた場合は、必要事項を記入して早急に返送しましょう。
書類の提出を求められたにもかかわらず提出しない場合は、補償を受けられないおそれがあるので注意してください。

補償

調査の結果「会員もしくは会員の家族以外の第3者が利用したこと」「会員に落ち度がないこと」などが判明すると、不正利用の被害を補償してもらうことができます。
補償は利用明細から該当の利用分が削除される形で行われることが多く、削除された利用分の費用は請求されません。

カード会社の事務処理の関係上、利用明細から不正利用の利用分を削除するのが難しい場合は、不正利用された分の代金を一時的に支払わなければならないことがあります。ただし、支払った利用代金は後から返金されるので安心してください。
一度引き落とされた利用代金を返金してもらえるタイミングについては調べても情報がなかったので、一時的な支払いが必要になった場合はコールセンターの担当者に確認することをおすすめします。

補償の方法についてはカード会社から必ず説明があるので、話をよく聞いておきましょう。不明な点がある場合は理解できるまで説明を求めることをおすすめします。

国際ブランドに電話をしても対応してもらえない

国際ブランドとは「世界各地に数多くの加盟店を持ち、国際的に通用するクレジットカードブランドのこと」です(参考サイト)。
具体的には、VISA(ビザカード)、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス(アメックス)、ダイナースクラブなどが挙げられます。

クレジットカードには必ず国際ブランドが付帯していますが、不正利用が疑われる利用があったときは国際ブランドに連絡するのではなく、保有しているクレジットカードを発行しているカード会社に連絡する必要があります。
たとえば、VISAブランドの楽天カードを保有しているのであれば、不正利用の連絡はVISAではなく楽天カードに届け出る必要があります。

クレジットカードを発行しているのはカード会社であり、国際ブランドではありません。国際ブランドはクレジットカードに搭載される機能の一部のようなものなので、国際ブランドがカードを止めたり補償したりすることはできないのです。

ただし「株式会社ジェーシービーが発行するクレジットカード」「アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド(アメックス)が発行するクレジットカード」はこの限りではありません。
株式会社ジェーシービーとアメックスが発行するクレジットカードは、カード発行元と国際ブランドが同じだからです。

不正利用が疑われる利用分があったときは「クレジットカード裏面に書かれた連絡先に電話する」のが鉄則です。どこに電話していいかわからないときは、カード裏面をチェックしてください。

不正利用の被害は補償される可能性が高い

クレジットカードに不正利用を補償する制度があるとわかっても、本当に補償されるのかと不安に思っている人も多いと思います。結論から言えば、不正利用の被害は補償される確率のほうが高いです。

三井住友カード株式会社が実施した調査によれば、調査回答者(500人)の83.6%は被害が補償されたと回答しています。
8割以上の人は被害額を補償してもらえているので、カードを適切に管理し、素早く対応すれば不正利用があっても補償してもらえる確率は高いと言えるでしょう。

一方で、16.4%の人は不正利用があったのに補償してもらえなかったことも事実です。その原因について、以下で詳しく確認していきましょう。

不正利用があっても補償されないケースとは?

三井住友カードの利用規約には、不正利用の補償対象外となるケースについて以下のような記述があります。

第14条(会員保障制度)
(中略)
3.次の場合は、当社はてん補の責を負いません。なお、本項において会員の故意過失を明示的に記載しているものを除き、会員の故意過失は問わないものとします。
(1)会員の故意または重大な過失に起因する損害
(2)損害の発生が保障期間外の場合
(3)会員の家族・同居人・当社から送付したカードまたはチケット等の受領の代理人による不正利用に起因する場合
(4)会員が本条第4項(編集部注)の義務を怠った場合
(5)紛失・盗難または被害状況の届けが虚偽であった場合
(6)カードショッピング、キャッシングリボおよび海外キャッシュサービス取引等のうち暗証番号の入力を伴う取引についての損害(ただし、当社に登録されている暗証番号の管理について、会員に故意または過失がないと当社が認めた場合はこの限りではありません。)
(7)前条第2項の紛失・盗難の通知を当社が受領した日の61日以前に生じた損害
(8)戦争・地震等による著しい秩序の混乱中に生じた紛失・盗難に起因する損害
(9)その他本規約に違反する使用に起因する損害

※引用:三井住友カード公式サイト「三井住友カード会員規約(個人会員用)

編集部注:損害の発生を知った日から30日以内に必要に応じて書類をカード会社へ提出することや、調査に協力することなどを含む内容。

利用規約に記載されている内容の中から、編集部が特に注目したものをピックアップして詳しく説明します。

会員の故意または重大な過失

会員の行動やカード管理方法などに問題があったと判断された場合などは、不正利用の被害に遭っても補償してもらえないおそれがあります。

複数のカード会社の公式サイトを確認しましたが、故意または重大な過失と認められる事例について具体的な内容を確認することはできませんでした。
しかし、三井住友カードの調査によれば、不正利用を補償してもらえなかった理由の3位に「カード裏面に署名していなかった」がランクインしています。
利用規約の中に「カードの裏面に署名がない」という項目はないので、これは故意または重大な過失のひとつとして扱われているかもしれません。

不正利用の発生が届出日の61日以上前だった

複数のカード会社の利用規約を確認したところ、不正利用が行われた日がカード会社に届け出た日(電話した日)から遡って61日以上経過している場合は、被害を補償してもらえないようです。
そのため、不正利用を補償してもらうには、不正利用が行われたことに可能な限り早く気付くことが大切です。

三井住友カード株式会社の調査によれば、不正利用を補償してもらえた人の50.0%はカードを利用するたびに利用明細を確認しており、29.0%は利用明細を月1回確認していました。つまり、合計すると3人に1人は毎月1回以上利用明細を確認していることになります。

こうした結果を受け、三井住友カードは調査の中で「ちゃんとした補償を受けるにはこまめな利用明細のチェックが大切」と結論付けています。
クレジットカードを保有している人は、定期的に利用明細を確認するクセを付けるのが良さそうですね。

暗証番号が利用された

複数のカード会社の利用規約を確認したところ、取引の際に暗証番号が利用されていた場合は補償の対象外になるようです。
ただし、カード会社が特別に認めた場合は補償してもらえる可能性があります。どういった場合に補償してもらえるのかは、調べても見つけることができませんでした。

暗証番号の情報は、直接尋ねられて抜かれるケースが多いようです。たとえば、企業や団体などになりすましてカード番号や暗証番号などの情報を尋ねてくる「フィッシング詐欺」はその一例と言えるでしょう。「警察を名乗る人間にカードの暗証番号を聞かれた」というケースもあるようです。(参考サイト

どこかで暗証番号を入力したり、人に教えたりしていなければ、暗証番号を利用した取引が行われているおそれは低いかもしれません。
暗証番号を他人に教えた記憶のある人は補償されないおそれを覚悟する必要がありますが、そうでない場合は補償されることを期待していいかもしれませんね。

不正利用の被害を補償してもらいやすくする対策

これまでに確認してきた内容をもとにすると、クレジットカードの不正利用の被害を補償してもらいやすくするには、以下の対策が有効と考えられます。

【クレジットカードの不正利用の被害を補償してもらいやすくするための対策】

ひとつひとつの対策について、以下で詳しく確認していきましょう。

こまめに利用明細を確認する

こまめに利用明細を確認していれば、不正利用を補償してもらえる可能性は高くなると考えられます。利用明細を確認する頻度が増えれば、不正利用の被害に気付きやすくなるからです。

たとえば、毎週月・水・金曜日に利用明細をチェックする場合、火曜日や木曜日に発生した不正利用に気付けるのは翌日です。
一方、利用明細を毎日チェックしている人は、火曜日や木曜日に発生した不正利用であってもその日のうちに気づくことができます。

万が一の事態に備え、クレジットカードの利用明細はできる限りこまめに確認するようにしましょう。

暗証番号の管理に注意する

クレジットカードの不正利用を補償してもらうには、暗証番号の管理に注意することも大切です。
暗証番号を利用した取引は、たとえ本人以外が利用したものであったとしても補償対象外となる危険性があるからです。

警察官を名乗る人などに暗証番号を聞かれた場合は、相手が本当に警察なのかを疑うようにするのがいいでしょう。また、ATMなどで暗証番号を入力するときは、周囲に不審な人がいないことを確認するよう心がけてください。

インターネット上で暗証番号の入力を求められたときは、そのサイトが本当に信頼できるサイトかどうか必ず確かめましょう。
たとえば、Yahoo! JAPANのサイトで暗証番号の入力を求められたときは、Googleなどで検索して表示されるYahoo! JAPANのURLと、暗証番号の入力を求めているページのURLが一致しているかを確認してみるのがいいでしょう。

カードの裏面には必ず署名をする

クレジットカードの不正利用を補償してもらうには、カード裏面の署名欄に本人のサインが記入されている必要があります。
カード裏面にサインがない場合は、不正利用の被害に遭っても補償してもらえない危険性が高くなるので注意しましょう。

クレジットカードの裏面にするサインは、漢字でもローマ字でも構いません。ただし、海外で使う場合は、パスポートとクレジットカードのサインが一致しているか確認されることがあります。
一致していない場合はカードの利用を断られることがあるので、海外でクレジットカードを利用することが多い人は覚えておきましょう。

不正利用の補償にまつわる質問

クレジットカードの不正利用と補償について、関係性のある質問をまとめました。

国内と海外で手続きの方法に違いはあるのか?

クレジットカードが不正利用された場所によってとるべき対応が異なることはありません。不正利用された場所が国内でも海外でも、コールセンターに電話して利用内容を調査してもらい、必要に応じて請求を取り消してもらうという流れに変わりはありません。

ただし、不正利用に気づいたタイミングによって連絡先が異なることはあり得ます。カード会社は国内用と海外用の電話番号を別々に用意しています。
そのため、不正利用に気づいたのが国内にいるときならば国内用の電話番号に連絡する必要がありますが、海外にいるときに気づいた場合は海外用の電話番号に連絡しなければなりません。

コールセンターの電話番号はクレジットカード裏面に記載されています。わからない場合は、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンで「〇〇(カード名) コールセンター 国内(海外)」のように検索してみましょう。

支払えないくらいの被害を受けた場合はどうすればいいの?

カード会社から補償できないという判断が出た場合は、被害額を全額支払う義務が生じます。
不正利用の被害額はその他の利用代金と合算して、登録している銀行口座から引き落とされます。そのため、原則として一括払いで払うことになりますが、一括で支払うのが難しい場合はリボ払いや分割払いによる支払いを選択できる可能性もあります。

被害額が大きすぎて一回で支払うのが難しい場合は、コールセンターに電話して相談してみましょう。