更新日 : 2023.05.09

カードローンの金利と利息の計算方法

カードローンの利用者は、借入金の返済時、借りた金額に上乗せして金利分の利息を支払う必要があります。

しかし、金利の仕組みや計算方法を理解せずにカードローンを利用している人は、「金利とは何なのだろう?」「完済までに支払う利息はいくらになるのだろう?」と悩みますよね。

金利の仕組みや計算方法を理解すれば、カードローン会社へ支払う利息をあらかじめ把握できるため、計画的に借入金を返済できます。金利の仕組みを理解せずにカードローンを利用している人は、仕組みを把握したうえで、支払う利息の計算方法を確認しましょう。

金利という言葉の意味

Q&Aサイトでは、「支払う金利を知りたい」「金利を安くしたい」というカードローンの利用者からの意見が多数寄せられています。

しかし、「支払う金利を知りたい」「金利を安くしたい」と考えている人は、金利と利息の意味をわかっているようで、きちんと理解できていない可能性があります。実際にカードローン会社へ支払うのは、金利ではなく利息だからです。

そのため、金利の仕組みを理解せずにカードローンを利用している人は、金利と利息の意味を理解しましょう。

利息とはお金を貸し借りする際に発生する料金のこと

利息とは、お金を貸し借りする際に発生する料金のことです。

お金を貸すカードローン会社側は、貸したお金の返済とともに、金利による利息の支払いを利用者へ求めます。カードローン会社は、利用者から支払われる利息によって収益を上げているため、貸した金額だけを返済されても商売にならないからです。

そのため、カードローンの利用者は借りたお金(元金)に上乗せして、利息を支払う必要があるのです。

利子は利息と同じ意味を持つ

カードローンを利用していると、利子という言葉を見かけます。利子とは、お金を借りた人が借り入れの対価として、貸し手に支払う金額のことです。

厳密にいえば、利子と利息では言葉の意味が異なります。しかし、カードローンにおいては、利子と利息が同じ意味で使用される傾向があります。

そのため、金利の仕組みを理解せずにカードローンを利用している人は、利息と利子の意味に違いがないことを覚えておきましょう。

金利とは元金に対する利息の割合のこと

金利とは、元金に対する利息の割合のことです。カードローンの商品には必ず金利が定められているため、金融機関からお金を借りると必ず利息が発生します。

【金融商品に定められた金利の例】
金融機関 金融商品 金利
メガバンク みずほ銀行カードローン 年2.0%~14.0%※
三井住友銀行カードローン 年4.0%~14.5%
三菱UFJ銀行「バンクイック」 年1.8%〜14.6%
ネット銀行 JCBカードローン「FAITH」 年4.4%~12.5%
イオン銀行カードローン 年3.8%~13.8%
ソニー銀行カードローン 年2.5%~13.8%
楽天銀行カードローン 年1.9%~14.5%
消費者金融 プロミス 年4.5%~17.8%
アコム 年3.0%~18.0%
アイフル 年3.0%~18.0%

※住宅ローンのご利用で、カードローンの金利を年0.5%引き下げます。引き下げ適用後の金利は年1.5%~13.5%です。

カードローンでは、1年間で発生する利息の割合として、金利を%で表しています。たとえば、みずほ銀行カードローンでは、元金に対する利息の割合として、金利が年2.0%~14.0%と定められています。

つまり、カードローンでは、「%で表示された金利を元金にかけた金額が1年間で支払う利息」という関係が成り立ちます。金利の仕組みを理解せずにカードローンを利用している人は、金利と利息の関係をしっかり理解しましょう。

金利は年利・利率と表記されることがある

カードローンの金利は、年利・利率と表記されることがあります。たとえば、銀行系カードローンであるイオン銀行カードローンの公式サイトでは、下記のように提示されています。

【イオン銀行カードローン 公式サイト】

お借入れ利率
年3.8%~13.8%
引用元:イオン銀行カードローン 公式サイト「商品概要」

イオン銀行カードローンの公式サイトでは、金利ではなく、お借入れ利率と表記されています。しかし、カードローンにおいて、金利や年利、利率といった言葉の意味に違いはありません。

そのため、カードローンの公式サイトで年利や利率と表記されていても、実際には金利と意味が変わらないことを覚えておきましょう。

金利は実質年率と表記されることがある

カードローンの金利は、「実質年率」と表記されることがあります。たとえば、消費者金融系カードローンであるプロミスの公式サイトでは、下記のように掲示されています。

【プロミス 公式サイト】

借入利率 4.5%~17.8%(実質年率)
※引用元 プロミス 公式サイト「商品内容」

プロミスの公式サイトでは、実質年率という言葉が用いられています。実質年率とは、事務手数料や保証料などの費用と利息が合わさった金利のことです。

カードローン会社は、金利による利息のほかに事務手数料や保証料といった手数料も、利用者から回収しなければなりません。そのため、カードローン会社は、毎月の返済日に、金利による利息とまとめて手数料を利用者へ請求します。

しかし、カードローン会社は、手数料を含めた実質年率を金利として表記している傾向があります。そのため、金利の仕組みを理解せずにカードローンを利用している人は、金利による利息以外に手数料がかからないということを覚えておきましょう。

金利の仕組み

金利の仕組みは、下記のとおりです。

【金利の仕組み】
  • 利息は日割りで発生する
  • 金利には上限がある
  • 金利には幅がある
  • 利用限度額で適用される金利は異なる

金利の仕組みを理解すれば、「金利がどうやって決定するのか」「利息がどのように発生するのか」を把握できます。金利と利息の意味を理解した人は、金利の仕組みを確認しましょう。

利息は日割りで発生する

金利は1年間に発生する利息の割合です。しかし、カードローンへ支払う利息は、1年ごとではなく、お金を借りている日数に応じて発生します。

たとえば、年10.0%の金利で10万円を借りた人は、お金を借りている日数に応じて、支払う利息が下記のように増えます。

【お金を借りている日数に応じた支払う利息】
日数 利息
30日 約822円
60日 約1,643円
90日 約2,466円
120日 約3,288円
180日 約4,932円

お金を借りている日数が長ければ長いほど、カードローンへ支払う金利による利息が増えます。金利の仕組みを理解せずにカードローンを利用している人は、お金を借りている日数を短縮すればするほど、支払う利息を抑えられることを覚えておきましょう。

金利には上限がある

カードローンの金利は出資法という法律によって、上限が年20%と制限されています。カードローン会社は出資法を厳守して融資を行うため、利用者に年20%を超える金利を適用させることはありません。

また、カードローン会社は利息制限法という法律も厳守するため、利用者の借入額に応じて適用できる金利の上限が異なります。利息制限法とは、カードローン会社が融資をする際、制限以上の金利を利用者に適用させてはならないと定められた法律のことです。

【利息制限法によって制限されている金利】
借入額 金利の上限(年率)
10万円未満 20.00%
10万円以上~100万円未満 18.00%
100万円以上 15.00%

たとえば、実質年率10.0%~18.0%というカードローン商品から100万円以上借りた人は、利息制限法によって、年15.0%以下の金利が適用されます。

カードローンを利用している人は、出資法や利息制限法の制限を超える金利が適用されることはないので安心しましょう。

金利には幅がある

カードローンの金利には幅があります。たとえば、銀行系カードローンであるみずほ銀行カードローン(年2.0%~14.0%)では、上限金利から下限金利まで年12.0%の幅があります。

カードローンの金利に幅があるのは、以下の理由があるからです。

【カードローンの金利に幅がある理由】
  • 借入額によって適用される金利が異なるから
  • 優良顧客と認められた場合は金利優遇を受けられるから

カードローン会社は利息制限法に基づいて融資を行っているため、利用者の借入金に応じた金利を設定する必要があります。そのため、カードローン会社では、商品の金利に幅を設けているのです。

また、複数回または長期間同じ金融機関でお金を借りて返済実績を積んでいる人は、カードローン会社から信用できる優良顧客であると認められます。カードローン会社は、優良顧客の金利を優遇するために、商品の金利に幅を設定しているのです。

なお、カードローンをはじめて利用する人は、信用できる利用者であると金融機関側から認められないため、商品の上限金利が適用される傾向にあります。

カードローンで適用されている金利を抑えたい人は、優良顧客と認められるために、遅延をせずに借入金の返済を続けましょう。

適用される金利は利用限度額で異なる

カードローンの金利は、利用者の利用限度額(借入限度額)で異なります。たとえば、みずほ銀行カードローンの利用限度額に応じた金利は、下記のとおりです。

【利用限度額に応じたみずほ銀行カードローンの金利】
利用限度額 金利
10万円以上~100万円未満 年14.0%
100万円以上~200万円未満 年12.0%
200万円以上~300万円未満 年9.0%
300万円以上~400万円未満 年7.0%
400万円以上~500万円未満 年6.0%
500万円以上~600万円未満 年5.0%
600万円以上~800万円未満 年4.5%
800万円 年2.0%

※住宅ローンのご利用で、カードローンの金利を年0.5%引き下げます。引き下げ適用後の金利は年1.5%~13.5%です。

みずほ銀行カードローンを含む金融機関のカードローン商品では、利用限度額の高い人ほど低い金利が適用される傾向にあります。

なお、カードローンの利用限度額は、利用者の返済実績によって増額できます。そのため、上限金利でカードローンを利用している人でも返済実績を積めば、利用限度額が増額されて、現状よりも低い金利が適用される可能性があります。

低い金利でカードローンを利用したい人は、返済実績を積むために、借入金の返済に遅れることのないように心がけましょう。

金利による利息の計算方法

金利による利息は、「借入金×金利(年)÷365(日)×完済までの期間」で算出できます。たとえば、年10.0%で30万円を借りた人は、3か月(90日)で借入金を完済した場合、金利による利息が下記のようになります。

【年10.0%で30万円を借りた人が90日で完済した場合の利息】
30万円(借入金)×10.0%(金利)÷365日(1年の日数)×90日(完済までの日数)=約2,466円(利息)

ただし、カードローン会社が採用している返済方式によって、毎月の返済額が変動します。毎月の返済額が変動すれば、借入金を完済できるまでの期間も変わるため、返済方式によって金利による利息の総額が異なります。

そのため、金利による利息を算出したい人は、自分の利用しているカードローンが採用している返済方式を把握しましょう。

【返済方式と採用しているカードローン会社】
返済方式 採用しているカードローン
残高スライド元利定額リボルビング方式 ・みずほ銀行カードローン
・三井住友銀行カードローン
・イオン銀行カードローン
・楽天銀行カードローン
・JCBカードローン「FAITH」
・ソニー銀行カードローン
・アイフル
・プロミス
・レイク など
元利定額リボルビング方式 ・アコム
・レイク など
元金定率リボルビング方式 ・ダイナースクラブ カードローン
・アイフルビジネスファイナンス カードローンなど

たとえば、みずほ銀行カードローンやJCBカードローン「FAITH」などの金融機関では、残高スライド元利定額リボルビング方式という返済方式を採用しています。

金利による利息を算出したい人は、自分の利用しているカードローンの返済方式を確認したうえで、計算式を用いて利息を算出しましょう。

残高スライド元利定額リボルビング方式

みずほ銀行カードローンやJCBカードローン「FAITH」などの商品では、残高スライド元利定額リボルビング方式が採用されています。残高スライド元利定額リボルビング方式とは、利用者の借入残高に応じて、毎月の返済額が変動する返済方式です。

たとえば、残高スライド元利定額リボルビング方式を採用しているカードローンの利用者が、年10.0%で10万円を借り入れた場合、借入残高に応じて毎月の返済額が下記のように変動します。

【借入残高に応じた毎月の返済額の例】
借入残高 毎月の返済金額
~7万円 6,000円
7万円~8万円 8,000円
8万円~9万円 10,000円
9万円~10万円 12,000円
【年10.0%で10万円を借り入れた場合の返済シミュレーション】
支払い回数 利息
(=借入残高×金利÷1年の日数×ひと月の日数)
元金返済分
(=毎月の返済額-金利による利息)
借入残高
(=借入残高-元金返済分)
1回目 約820円
=100,000円×10.0%÷365日×30日
11,180円
=12,000円-820円
88,820円
=100,000円-11,180円
2回目 約730円
=88,820円×10.0%÷365日×30日
9270円
=10,000円-730円
79,550円
=88,820円-9,270円
3回目 約650円
=79,550円×10.0%÷365日×30日
7,350円
=8,000円-650円
72,200円
=79,550円-7,350円
4回目 約590円
=72,200円×10.0%÷365日×30日
7,410円
=8,000円-590円
64,790円
=72,200円-7,410円

※実際とは異なる場合がございます。目安程度にお考え下さい。

残高スライド元利定額リボルビング方式は、借入残高に応じて毎月の返済額が変動するため、借入金の返済を続ければ続けるほど返済額が少なくなります。

ただし、毎月の返済額が少なくなればなるほど、借入金を完済するまでの期間が延長するため、カードローン会社へ支払う利息の総額や返済総額が増える傾向にあります。

そのため、カードローン会社へ支払う利息の総額を抑えたい人は、毎月の借入金の返済とは別に随時返済をしましょう。随時返済をすればするほど、借入金を完済するまでの期間を短縮できるため、カードローン会社へ支払う利息の総額を抑えられるからです。

随時返済とは、毎月の借入金の返済とは別のタイミングで、カードローンの利用者が任意の金額を金融機関へ支払うことです。

残高スライド元利定額リボルビング方式を採用しているカードローン会社は、随時返済に対応している傾向があります。そのため、支払う利息を抑えたい人は、利用しているカードローンの公式サイトから随時返済をする方法を確認しましょう。

元利定額リボルビング方式

アコムやレイクALSAなどの金融機関では、元利定額リボルビング方式が採用されています。元利定額リボルビング方式とは、毎月の返済額が一定になる返済方式です。

元利定額リボルビング方式では、返済日時点での借入残高に対する利息と、あらかじめ指定した毎月の返済額から利息を引いた元金分を、カードローン会社へ支払います。

たとえば、10万円を金利10.0%で借り入れ、毎月1万円ずつ支払う場合の返済シミュレーションは、下記のとおりです。

【年10.0%で10万円を借り入れて毎月1万円ずつ支払う場合の返済シミュレーション】
支払い回数 利息
(=借入残高×金利÷1年の日数×ひと月の日数)
元金返済分
(=毎月の返済額-金利による利息)
借入残高
(=借入残高-元金返済分)
1回目 約820円
=100,000円×10.0%÷365日×30日
9,180円
=10,000円-820円
90,820円
=100,000円-9,180円
2回目 約750円
=90,820円×10.0%÷365日×30日
9,250円
=10,000円-750円
81,570円
=90,820円-9,250円
3回目 約670円
=81,570円×10.0%÷365日×30日
9,330円
=10,000円-670円
72,240円
=81,570円-9,330円
4回目 約590円
=72,240円×10.0%÷365日×30日
9,410円
=10,000円-590円
62,830円
=72,240円-9,410円

※実際とは異なる場合がございます。目安程度にお考え下さい。

元利定額リボルビング方式は、借入金を完済するまで毎月の支払額が一定であるため、無理なく借入金を返済できます。しかし、毎月の支払額が一定であることから、借入金を完済するまでの期間が長期化して、金利による利息が増える傾向にあります。

そのため、元利定額リボルビング方式が採用されているカードローン会社の利用者は、毎月の返済額を現在よりも増やすことを検討しましょう。アコムやレイクALSAの公式サイトでは、「申請をすれば契約後でも毎月の返済額を変更できる」と明言されています。

毎月の返済額を増額する手順は、カードローンの公式サイトに掲載されています。支払う利息を抑えたい人は、利用しているカードローンの公式サイトから毎月の返済額を増額する手順を確認しましょう。

元金定率リボルビング方式

ダイナースクラブのカードローンやアイフルビジネスファイナンス(旧:ビジネクスト)のカードローンなどの金融機関では、元金定率リボルビング方式という返済方式が採用されています。元金定率リボルビング方式とは、毎月の借入残高に指定した割合をかけた金額が毎月の返済額となる返済方式です。

たとえば、10万円を金利10.0%で借り入れて、借入残高の10%が毎月の返済額となる場合の返済シミュレーションは、下記のとおりです。

【年10.0%で10万円を借り入れて借入残高の10%ずつ返済した場合】
支払い回数 元金返済分
(=借入残高×金利)
利息
(=借入残高×金利÷1年の日数×ひと月の日数)
借入残高
(=借入残高-毎月の返済額)
1回目 10,000円
=100,000円×10%
約820円
=100,000円×10.0%÷365日×30日
90,000円
=100,000円-10,000円
2回目 9,000円
=90,000円×10%
約740円
=90,000円×10.0%÷365日×30日
81,000円
=90,000円-9,000円
3回目 8,100円
=81,000円×10%
約670円
=81,000円×10.0%÷365日×30日
72,900円
=81,000円-8,100円
4回目 7,290円
=72,900円×10%
約600円
=72,900円×10.0%÷365日×30日
65,610円
=72,900円-7,290円

※実際とは異なる場合がございます。目安程度にお考え下さい。

元金定率リボルビング方式では、借入残高を減らせば減らすほど、元金返済分や利息とともに毎月の返済額も減っていきます。ただし、元金定率リボルビング方式では、借入金の一部が毎月の返済額となるため、理論上は永遠に返済が終わりません。

そのため、元金定率リボルビング方式を採用しているカードローン会社の利用者は、任意のタイミングで随時返済や一括返済をする必要があることを覚えておきましょう。

なお、随時返済や一括返済をする際は、利用しているカードローンの公式サイトから手順を確認してください。

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