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更新日 : 2022.12.01

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住宅確保給付金

住宅確保給付金とは、平成27年から始まった「生活困窮者自立支援制度」による支援の1つです。
離職・廃業または収入が減少し家賃の支払が困難な場合に、家賃費用として支給される給付金です。

支給を受ける場合、一定の要件を満たす必要があります。また、支給される金額は必ずしも家賃全額ではなく、申込者の状況によって異なるため、事前に支給される金額の目安を確認しておくことも重要です。

そこで給付金の概要・対象要件・支給される金額・申請から受給までの流れについて解説するので、参考にしてみてください。

住宅確保給付金とは

離職などにより住居を失ったり失う恐れがあったりする場合に、就職に向けた活動をすること などを条件として、支給される給付金のことです。

【受給対象と受給期間】
各項目 内容
給付金の対象 家賃額(住まいにかかる費用のみ)
受給期間 原則3ヶ月(最大9ヶ月)

給付金の対象になるのは、家賃額のみであり、駐車場代や事業用の物件などは支給の対象から外れます。また、受給期間は原則として3ヶ月、最大9ヶ月までとされています。

なお、収入・預貯金額・求職活動といった面で対象要件が定められており、それぞれの要件を満たしている必要があります。

住宅確保給付金を利用する場合は、給付金の対象や受給期間、給付の対象要件を事前に確認しておきましょう。

令和4年3月末日まで再受給および職業訓練給付金との併給が可能

住宅確保給付金の受給を一回受けて、所定の受給期間が終了した場合でも、令和4年3月末日までに再申請を行なえば、3ヶ月に限り再支給を受けられます。再支給を受けられるのは、対象要件を満たしているかつ再支給の申請をしたことがない場合です。

また、令和4年3月末日までの申請であれば、職業訓練受講給付金との併給も可能となっています。職業訓練受講給付金とは、ハローワークで職業訓練を受講しているかつ一定の要件を満たす場合に、訓練受講中の生活を支援するために支給される給付金のことです。

住宅確保給付金の再受給および職業訓練給付金との併給は、いずれも期間限定の措置であるため、支給を受ける場合は、令和4年3月末日までに申請を行なうようにしましょう。

住宅確保給付金の対象要件

住宅確保給付金の支給を受けるには、定められた対象要件を満たしている必要があります。対象要件は、対象者・収入状況・預貯金状況・求職活動の状況に対して、定められています。

【住宅確保給付金の対象要件】
対象要件の種類 対象要件の詳細
対象者の状況 主たる生計維持者が下記①②のいずれかに当てはまる。
①離職・廃業後2年以内である場合
②個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している場合
収入額 直近の月の世帯収入合計額が、市町村民税の均等割が非課税となる額の12分の1と家賃の合計額を超えていないこと
預貯金額 現在の世帯の預貯金合計額が、各市町村で定める額を超えていないこと
求職活動の状況 対象者の条件である①と②に応じて下記のような求職活動を行なうこと
①の場合は、ハローワークへ求職の申し込みをし、誠実かつ熱心に求職活動を行なうこと
②の場合は、誠実かつ熱心に求職活動を行なうこと

参照元:厚生労働省「厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要

住宅確保給付金の対象には、離職や廃業だけでなく、収入が減少した場合も当てはまります。これは離職・廃業と同程度まで減少していると認められる場合のみです。

また、収入額や預貯金といった、一定の資産収入等についても要件として定められています。基準となる金額は、居住する市区町村によって異なるのが特徴です。

さらに、求職活動をすることも対象要件の一つに定められています。

対象者の状況・収入額・求職活動の状況については、補足事項や要件を満たしているかどうか確認するための目安などをそれぞれ解説するので、参考にしてください。

対象者の状況に関する要件

対象者の要件は、下記のように定められています。対象者の就業形態については、アルバイトや会社員のような雇用契約によるものだけでなく、自営業やフリーランスも当てはまります。

【対象者の要件】
  • 離職・廃業後2年以内である場合
  • 人の責任・都合によらず給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している場合

参照元:厚生労働省「厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要

「離職・廃業と同程度まで減少している」という状況について明確な基準はないものの、厚生労働省では下記のような想定される状況を例示しています。

【収入が減少していると想定される状況の例】
  • アルバイトを2つ掛け持ちしていたが、景気の悪化により1つの事業所が休業となりシフトがなくなった
  • スポーツジムが一部休業することになり、週4〜5日活動していたところ週2〜3日程度以下となった

参照元:厚生労働省「001320333.pdf」(住宅確保給付金のご案内 )

ただし、市区町村によっては判断基準が異なる場合も想定されるため、上記の例示は目安として参考にしてください。

収入額に関する要件

収入に関する要件は、直近の月の世帯収入合計額が、ある一定の金額を超えているか否かで確認できます。ある一定の金額とは、「市区町村ごとに設定されている合計年間所得を12ヶ月で割ったもの(以下、基準額と呼ぶ)」と「家賃額」を合計した金額のことです。

たとえば、基準額が12万円、家賃が6万円だった場合は、下記のような計算で収入要件を満たすか否かを確認できる一定の金額が算出できます。

【収入要件を満たすか否かを確認できる金額の算出の方法の例】

12万円(基準額)+6万円(家賃)=18万円

仮に直近の月の世帯収入合計額が15万円だった場合、18万円を超えていないことから、収入要件を満たしていることがわかります。

基準額は、市区町村によって異なるので、具体的な基準額の数値については、自身が住んでいる市区町村の公式サイトなどで確認してみてください。

なお、直近の月の世帯収入合計額は、同居かつ生計を同じくしている家族の収入のことです。たとえば、同居かつ生計を同じくしている内縁の夫や妻の収入は世帯収入に含まれますが、別居している家族の収入は世帯収入に含まれません。

求職活動の状況に関する要件

求職活動に関する要件は、「ハローワークへ求職の申し込みをし、誠実かつ熱心に求職活動を行なう」のように定められており、明確な基準が示されていません。

ただし、厚生労働省では、求職活動に関する要件について具体例を示しています。

【求職活動に関する要件の具体例】
求職活動の要件(※) 具体例
ハローワークへ求職の申し込みをし、誠実かつ熱心に求職活動を行なうこと ・ハローワークへの求職申込、職業相談(月2回)
・企業への応募、面接(週一回)
誠実かつ熱心に求職活動を行なうこと ・生活再建への支援プランに沿った行動(家計の改善、職業訓練等)

参照元:厚生労働省「厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要

上記はあくまでも具体例であり、要件に該当するか否かの判断は市区町村に委ねられています。具体例については、住宅確保給付金を受給する場合に認められる求職活動の目安として参考にしてください。

住宅確保給付金の支給額

住宅確保給付金の支給額は、住んでいる市区町村や世帯の人数によります。

支給額を把握するには、まず、直近の月の世帯収入合計額が基準額を超えているか否かを確認する必要があります。

基準額を超えているか否かによって、支給額の算出方法が異なるためです。

【支給額の算出方法】
直近の月の世帯の収入額 支給額の算出方法
世帯収入合計額が基準額以下の場合 支給額=家賃額
世帯収入合計額が基準額を超える場合 支給額=基準額+家賃額−世帯収入合計額

たとえば、基準額を16万円とした場合、世帯収入合計額が16万円以下であるなら、家賃に相当する金額が支給額となります。

一方、世帯収入合計額が16万円を超える場合、基準額と家賃の合計金額から世帯収入合計額を差し引いた金額が支給額です。世帯収入合計額が20万円、家賃額が6万円の場合、支給額は2万円となります。

住宅確保給付金の支給額には上限がある

支給額には上限があり、算出された支給額が市区町村の定める上限を超える場合は、上限の金額が支給額となります。

【支給額が上限を超える場合の算出イメージ】

たとえば、基準額が16万円に設定されているとします。世帯収入合計額が14万円である場合、通常なら家賃に相当する6万円分の支給を受けられることになります。 ただし、市区町村における上限が4万円とされている場合、支給額は4万円となります。

同様の基準額を用いて、世帯収入合計額が17万円で家賃が6万円のケースで支給額を算出すると、支給額は5万円となります。ただし、こちらも、上限が定められている場合は上限の金額が支給額となります。

住宅確保給付金の申請から受給までの流れ

住宅確保給付金の申請から受給までの流れは、下記の通りです。

【住宅確保給付金の申請から受給までの流れ】

※1 生活困窮者自立相談支援機関とは、住宅・仕事生活などの相談窓口のことであり、市区町村が直営または社会福祉法人・NPO等により運営されちれている機関です。
※2 決定通知書等の発行と支給のタイミングは市区町村によって異なる可能性があります
参照元:厚生労働省「厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:手続きの流れ

住宅確保給付金に関する相談または申請は、居住する地域の生活困窮者自立相談支援機関に対して行ない、その後に生活者困窮自立支援相談機関から市区町村に対して申請書等が送付されます。

受給が決定したあとは、市区町村から生活困窮者自立支援相談機関に決定通知書等が発行され、申請者にも通知書等が届きます。支給された給付金は、市区町村によって借りている部屋の貸主に対して代理で納付される流れです。

ただし、申請から受給までの流れは市区町村によっても異なる場合があるため、具体的な各種手続きの流れは、各生活困窮者自立相談支援機関の公式サイトなどで確認する必要があります。

住宅確保給付金の申請・相談の窓口については、厚生労働省の「住宅確保給付金 申請・相談窓口」より、居住する地域の生活困窮者自立相談支援機関が確認できるので、参考にしてみてください。

申請時に必要な書類

申請時に必要な書類は、申請先の自立相談支援機関によって異なり場合もありますが、基本的には下記のような書類の提出を求められます。

【申請時に必要な書類】
書類の種類 具体的な書類の例
本人確認書類 ・運転免許証
・個人番号カード(マイナンバーカード表面)
・パスポート
・各種福祉手帳
・健康保険証
・住民票
・戸籍謄本等の写し等
※顔写真付きの証明書がない場合は2つ以上必要となる場合があります
収入が確認できる書類 ・申請者および同居している親族等の給与明細
・年金等の公的給付金の証明書等
預貯金額が確認できる書類 ・申請者および同居している親族等の金融機関の通帳の写し
離職・廃業や就労日数・就労機会の減少が確認できる書類 【離職・廃業後2年以内の場合】
・離職票
・離職証明書
・廃業届等
【個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が離職・廃業と同程度まで減少している場合】
例:雇用されている人の勤務日数や勤務時間の減少が確認できるシフト表等

参照元:厚生労働省「厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:手続きの流れ

実際に提出が必要な書類は、申請先によっても異なることから、事前に書類の種類などを確認しておくようにしましょう。

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